介護現場の体験談を中心に、福祉用具についてのご紹介、介護保険等に関する情報を定期的に発信させて頂きます。
弊社とお客様のコミュニケーションの一助となれば幸いです。
心温まるストーリー★介護の現場から~介護すること、されること~★
挑戦を続ける永遠のダンサー
2023-01-10
住み慣れたご自宅での新しい生活
Aさんは50歳代の男性、 お父様とお二人で暮らしておられます。今年の初め、糖尿病による右下肢壊疽の為、膝下を切断されました。
義足を装着し、脳梗塞による軽度の右麻痺もありましたが、懸命のリハビリにより、手すりや杖を使用しながら歩行することが出来るようになられました。
約9か月間の長い入院生活を経て、退院されるにあたり、住環境整備のご依頼を、ケアマネジャー様を通してご相談いただきました。
住み慣れた自宅で、自分でできることはしながら今まで通りの生活がしたい、というご希望を叶えるべく、退院までの2日間で早急に環境を整える必要がありました。
Aさんは入院中の為、お父様と相談しながら、住環境を一通り確認し、「どこに手すり等が必要になるか」、「ベッドはどこに置くか」と選定を行いました。
住み慣れた自宅で、自分でできることはしながら今まで通りの生活がしたい、というご希望を叶えるべく、退院までの2日間で早急に環境を整える必要がありました。
Aさんは入院中の為、お父様と相談しながら、住環境を一通り確認し、「どこに手すり等が必要になるか」、「ベッドはどこに置くか」と選定を行いました。
まずレンタルのベッドを搬入、次に、室内を安全に移動できるよう、トイレ、浴室の手すりの取り付けの検討をしました。
手すりには工事が必要な【住宅改修】と工事が不要な【レンタル】の二通りがありますが、住宅改修での手すり取り付けは申請手続きなどもあり時間がかかるため
申請許可が出るまでの間は、早急な対応が可能なレンタルの手すりを提案させていただきました。
申請許可が出るまでの間は、早急な対応が可能なレンタルの手すりを提案させていただきました。
最後に、玄関と屋外の手すりの検討をしました。週3回人工透析に通われるAさんにとって、日常的な外出は欠かせないものですが、玄関から道路までの移動には、
玄関を出るまでに2段、玄関を出てからも更に5段の段差があり、その間に門扉もあるため、 どの手すりをどのように設置するか・・・
あれこれと思案し、たくさんある商品の中から選りすぐった手すりを設置させて頂きました。

挑戦を続ける永遠のダンサー
2022-12-01
挑戦を続ける永遠のダンサー
Aさんは89歳の男性。
6年前に奥様を見送られてからは、ご自身のご病気と付き合いながら、自分のペースで自立した一人暮らしをされてきました。
高血圧症、前縦靭帯骨化症、変形性頚椎症、頸動脈硬化症、変形性膝関節症、陳旧性心筋梗塞等多くの疾患があり、病院に通い、注射や投薬治療を受けてこられました。
平成29年7月、呂律が回らなくなり、手足に力が入らず歩行困難になり入院。硬膜下血種の診断で、手術を受けられました。退院後、要支援1の介護認定を受け、軽い麻痺や筋力、持久力の低下、手指のしびれ、膝の痛みなどに対し、治療とデイケアでのリハビリを継続することになりました。退院当初は、娘様と息子様が協力して自宅を訪問し、生活を支援されました。
Aさんは、健康を取り戻すためには、家にこもっていてはいけない、毎日を楽しみたいと、地域のサークルで散歩や交流に参加されるようになりました。集まりの場ではこだわりのコーヒーを立てるのがAさんの役割になっておられました。デイケアの運動はしんどい、でも交流を楽しみながら運動を続けることができ、カチカチだった身体が徐々に柔らかくなり、肩こりや腰膝の痛みも改善していきました。
平成30年4月、「若い時にやっていた社交ダンスにまたチャレンジしたいと思ってんねん」とにこやかに言われ、その頼もしい意欲に驚かされ、実行できるかなと心配もありました。Aさんは、そんな心配をよそに着々と計画を遂行され、ご自身で社交ダンススクールを探し、見学に回られ、そして半年後、「社交ダンスの初心者コースに通い始めた!どこまでできるかわからんけど頑張るで」と意気揚々とした表情を浮かべておられました。しかしコロナウィルス感染の拡大により、スクールは令和2年3月に休止。悶々とされながらデイケアで体力向上に努めておられました。
令和3年9月ようやくダンススクールが再開、しかしAさんは集団でのレッスンに物足りなさを感じられ、12月からはマンツーマンでのハードな指導を受けられるところに変わられます。
令和4年6月「ダンスの発表会に出ると決めたので見に来てや!」とお誘い頂きました。
1曲踊るのにどれだけのステップなどを覚えて、どれほど体力を要するのか、想像もできませんでしたが、Aさんは「出場者の中で最年長と言われた。なおさら頑張らんな。」と練習に励まれました。
令和4年10月、いよいよ発表会、素敵なタキシード姿で登場、素晴らしい姿勢と
ステップで見事にワルツを踊りきられました。ダンスの最中は緊張もあり、少々硬い
表情でしたが、踊りきった時の笑顔はとても晴れ晴れと素晴らしく、感動の声援と、
大きな拍手に包まれました。娘様も直前に招待を受け、知らない内に一人で頑張って
こられたことに驚かれていました。
ステップで見事にワルツを踊りきられました。ダンスの最中は緊張もあり、少々硬い
表情でしたが、踊りきった時の笑顔はとても晴れ晴れと素晴らしく、感動の声援と、
大きな拍手に包まれました。娘様も直前に招待を受け、知らない内に一人で頑張って
こられたことに驚かれていました。
ここまでの道のりは決して容易なことではなく、何度も体調を崩され、もどかしい思いを乗り越えてこられてのことです。
Aさんは、どんどん若返っておられ、姿勢も体格も変わり、さらにダンスに磨きをかけていきたいと意欲を燃やされています。
「若い頃はただステップを覚えて踊っていたが、今はどうしたら楽に踊れるか、体幹を鍛え、力を分散して踊ることを学んでいる。どこまで積み重ねられるか、年齢は関係ない。人に見てもらうには自分が楽しんでないといけない。見てくれるみんなにも喜んでもらいたい。」と話されます。
これからも、無限の可能性に向かって突っ走るAさんを応援させていただきます。
株式会社 ウィズショールーム 介護支援専門員 記虎加代子


移動のためだけじゃない移動用リフト
2022-10-01
出かけたいという思いを大切に
Iさん、Iさんのお母様とのお付き合いは、ヘルパー様より「ご自宅に訪問して車いすの修理出来るかな?」
というご相談を頂いたのが始まりでした。
Iさんは30代男性で、ご家族と3人暮らしでした。先天性代謝疾患の難病で障がい者手帳をお持ちで、自力での移動は困難な為、車いす介助で移動、車いすに移るのはご家族、ヘルパー様の全介助で行っておられました。お会いした時、しっかりとした体格をされているIさんに対し、お母様は小柄で華奢であるため、お母様の介助動作の負担は大きいだろうと感じました。
その後、福祉用具について色々なご質問やご相談をいただく中で、お母様より、天井走行式リフトの設置についてご相談がありました。介助負担の軽減、そしてIさんが少しでも快適に生活できるようにというお母様の思いをお聞きし、実現に向けて、メーカー様と検討させていただいたのですが、課題は多く、マンションにお住まいで構造躯体には一切触れることはできない為、天井に設置するリフト案は諦めざるを得ないこととなりました。(※躯体とは建物を支える基礎や柱や梁等の総称)
設置に関しては5m越えのレールは階段を通れなかった為、
マンション管理人様にもご協力頂き、職人さんにもご苦労をかけながらロープ吊りにて
ベランダから搬入させていただき、なんとか無事に完了しました。
ご家族と一緒にいろいろと悩みながらも、周囲の方々のご協力もいただき、
試行錯誤を積み重ね、障がいの制度も利用して、お母様の息子様への思いが実現しました。
現在は、リフト導入により、お母様の介護負担は軽減され、ご家族でリラックスしくつろげる時間もでき、楽しい時間を過ごされているようです。
Iさんの成長や家族生活の変化に伴い、ご家族みんなで支えあい、助け合い、
今後もIさんの望む生活が継続できるよう、引き続きご支援させていただきたいと思います。
株式会社ウィズ 大阪西営業所 福祉用具専門相談員 松田直之

出かけたいという思いを大切に ~そっと、ちゃんと見守る、ご家族と共に~
2022-09-01
出かけたいという思いを大切に ~そっと、ちゃんと見守る、ご家族と共に~
いつお会いしてもニコニコ笑顔なYさんに初めてお目にかかった時は、とても丁寧にお声掛け頂き、まるで祖父母の家に遊びに行った時のような温かさや安心感に包まれたことを覚えています。Yさんはご主人と長年住み慣れた地域で過ごされ、お互いがお互いを気にかけられる素敵なご夫婦で、また周りの方への気遣いも素晴らしいお人柄でした。
ケアマネジャーから最初にご相談いただいたのは、Yさんがご自宅に帰って来られず、見つからない、そんな不安な日々が起こり始めた時のことでした。最寄りのコンビニに日用品を買いに出られたYさん。ご家族はいつもの時間に帰ってこない為心配になり、迎えに行くと、コンビニ近くで違う方向に歩くYさんを見つけました。道がわからなくなり少し動転してしまい、帰れなくなったとの事でしたが、その後もふらっとお声掛けなく外出されることが増えました。
当初は一時的なものだと思い、行く先も決まっていたので、外出されるタイミングが把握できれば安心できるとのことでした。ご要望に沿って、玄関ドアの開閉時に通知が鳴る徘徊感知器をご提案、設置させて頂きました。徘徊感知器のご利用により、出て行こうとされる時にご主人が気付くことができ、お声掛けをしてなだめたり、Yさんが出かける目的を主張される時は、そのまま見送られたり等の対応ができるようになりました。
また、ご帰宅が遅い時はお迎えにいかれました。
Yさんの行動が落ち着かれ、ご主人もYさんの行動が把握できてきた矢先、いつもの行動範囲とはかけ離れた遠い場所に行ってしまわれることが起こりました。ご家族も気にはかけておられましたが、四六時中、緊張感を持って対応されることによるお疲れも積み重なっておられました。再度、ご家族を含め担当者会議を行い、Yさんが住み慣れた環境で、買い物に出かける役割を果たしたいというご自身の思いや活動性を尊重しながら、安全に過ごすことができる環境整備を作り上げていくことになりました。
導入を検討した機器は、設定した距離よりYさんが遠くへ移動すると、家族に通知が届き、ご自身の位置情報を家族が検索できる「お散歩コール(テクノスジャパン)」という商品です。
この商品の導入により、Yさんは今まで通り、馴染みのスーパーやコンビニに出かけることを楽しまれ、また必要に応じて、ご家族がYさんの位置情報を検索することで、想定外の行動にも迅速に対応できるようになりました。
悪天候の中、Yさんの所在がわからなくなった際には、遠方にお住まいのご家族が位置情報を確認し、現地にいるご主人に伝え合いながら、ご家族同士で対応され、ことなきを得たそうです。天候も崩れ、日も暮れ始めて不安が募る中、福祉用具を活用し、Yさんが無事帰宅できたことについて感謝いただき、私自身もご家族のお言葉に感謝の気持ちでいっぱいになりました。
しばらくし、Yさんはご夫婦がより安心できる環境へ生活環境を変えられていくことになり、商品の役目も終えることになりました。
しかし、Yさんの行動の段階にあわせて福祉用具を活用することで、Yさんご自身が望む在宅生活を、ご家族と共に支援できたことは、私たち福祉用具専門相談員にとっても喜びとなりました。
いつもご自宅に伺うと、私たちへの応対が優先で、ご自身の席がなくなっても気にせずおもてなしして下さったこと、そのお心遣いと笑顔が今でも心に残っています。
株式会社 ウィズ 東大阪センター 福祉用具専門相談員 則定学

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