心温まるストーリー★介護の現場から~介護すること、されること~★
コロナ禍の中で

歩く事の喜びを手に入れて

さらなるレベルアップを目指して

介護ロボットの活躍

新しい門出
1歳半の時に、血友病を発症したTさん。脳内出血による後遺症により、身体障がい手帳と、療育手帳を取得されます。血友病による膝関節内での出血が繰り返されることで、軟骨が徐々に溶け、中学2年生の時から車椅子生活となりました。現在も出血を防ぐため自己注射を週4回継続されています。
18歳の時には自立訓練を行うため、1年間宿泊型訓練施設へ入所。そこでの友達との出会い等を通し、親元から離れ、自立して生活することを意識するようになられました。
今までお母様に頼っていた定期的な注射も、一人でもできるようにと、入院して自己注射の方法を習得されます。ご家庭の事情や、市営住宅の抽選事情等もあり、すぐに実現とはなりませんでしたが、今回16回目の抽選でようやく市営住宅での一人暮らしが実現しました。
整形外科に通い、自宅でできるリハビリに取り組まれたことで、以前よりも歩けるようになられたAさんですが、やはり床からの立ち上がりは膝に大きな負担がかかります。また膝の出血が再発した場合は、止血剤を打ち、安静が必要で、足を動かすこともできないため、電動ベッドの利用は生活に欠かせない状態です。
無事、電動ベッドが自宅に設置された時には、安堵の表情を浮かべられていました。
命に関わるような病気で、当初は12歳までしか生きられないと言われていたTさんは、「今でも不思議に思うことがあるんです。なんでここまで生きることができたのかなって。神様が助けてくれたんですね。」と話して下さいました。
そしてお母様は今まで難病である「血友病」という病をあえて伏せてはこられなかったそうです。それはAさん自身に病気を後ろめたく感じて欲しくなかったから。「病気と向き合い、車椅子など福祉用具を活用して成長していく姿を見守りながらも、親がいつまでも一緒にいてあげることはできない。周りに支えもらうこともあるだろうけど、子供が自立して生きていくことが私の子育ての最終目標でした。」と語ってくれたお母様。
そして、そのお母様の思いをしっかり受け継がれたTさんの覚悟があってこその新しいスタート。
その大切な節目に、福祉用具を通じてウィズが関わることができ、とても光栄です。

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