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福祉用具消毒メンテナンス
株式会社ウィズでは介護用ベッドや車いすなどの福祉用具レンタル商品のメンテナンスにおいて、ひとつひとつ丁寧な作業を心がけています。
回収されてきた用具を、清潔で安心な用具として再利用できるようにメンテナンスを行います。
洗浄、消毒、点検、修理など技術や経験を要する作業は専門のスタッフが、隅々まで徹底的にチェックを行い、新品同様の状態に整備いたします。

弊社はISO9001を取得しており、メンテナンスの品質管理や衛生管理に厳しい定めを設けており、結果、ご利用者様やケアマネジャーの方々から信頼をいただいております。

レンタル商品洗浄・消毒工程

弊社のレンタル車いすとバーコード管理
レンタル福祉用具を次の方に安心して利用していただけるように管理された【消毒・洗浄・メンテナンス・保管】を行なっています。

全てのレンタル商品はバーコード管理がされており商品入荷時より 【出荷・引取・消毒・保管・廃棄】までを管理しています。(帰歴管理)


⬇︎消毒・メンテナンスの詳細な工程はこちら⬇︎
修理担当の現実と妄想の間 日記

修理屋スグルの消毒メンテナンス日記一覧

★歩行器の整備と消毒 (1話読み切り)

★後輪タイヤ交換の巻 (全2話)

★駐車ブレーキ交換の巻 (1話読み切り)

★虫ゴム交換の巻 (1話読み切り)

★修理屋スグルとフットレストの陰謀 (全3話)

★修理屋スグル戦慄のパーキングミッション (全7話)

★修理屋スグルと沈黙のFIVE LIARS 第一部 序章編 (全4話)

★修理屋スグルと沈黙のFIVE LIARS 第二部 事件編 (全4話)

★修理屋スグルと沈黙のFIVE LIARS 最終章 真相編 (絶賛更新中〜)

修理屋スグルと沈黙のFIVE LIARS.11  最終章  真相編③

2022-09-12
【現在  南支店】

一体なにがどうなっているというのだ…課長と主任は何の話をしていたのだ??
意味がわからない

そして主任が持ち帰ったハンドルぐらつきの車いすもどうにかしなければならない
AVEC社 南支店は現在大混乱だ

「まぁ別に同機種交換すればいいだけじゃないか?」
「おいスグル……交換できる車いすを手配してやれ!!」
課長が言う

オレは課長の指示通り同機種交換の車いすを手配しようとする
オレはウィズ社の東大阪センターに電話する

「お世話になっております……実は大至急用意して頂きたい車いすがあるのですが……」

「………………………」

「そうですか……分かりました……失礼致します………」
オレは同機種交換依頼の電話を切った……そして課長に結果を報告する

「課長だめでした…残念です…この車いすは、現在欠品中で在庫が用意できないそうです!!…」

やられたっっ!!……クソッッ!!……
犯人は今回はあえて在庫の無い車いすに細工をしたのだ
なんて用意周到で頭の切れるヤツなんだ…

オレは主任が持ち帰って来た故障した車いすを見る
そして車いすのハンドルを触る
(写真)車いすハンドル/左右にグラつきがある
「こ……これは………」
主任の指摘通りに、ハンドルが左右にグラついている…!!!!

車いすのハンドルは、車いすを押す際に介助者が持つ場所だ…
「なんてことだ……こんなにグラついていては安全に車いすを操作することができないぞ」
オレの心の中で悲鳴に似た絶叫がこだまする

そしてこの車いすにも見覚えがあるぞ…!!
オレが南支店に潜入する前に、東大阪センターでメンテナンスした車いすだ…!!
間違いなくハンドルにグラつきなど無かったはずだ…!!
ここでオレの中に犯人に対する怒りが込み上げてきた…
「よくもこんな細工をしたな……一体メンテナンスのことを何だと思っているのだ……」
「使用される一人一人の利用者の安全を願って、修理屋が命をかけてメンテナンスをしているんだ!!……その思いを冒涜するなど許されることではないぞ!!」
「許さん……許さんぞ……」
「この不良品の車いすを使った利用者様がケガをしたら、どう責任を取るつもりだ!!!!」
「利用者様のことをなんだと思っているんだーー!!!!!!」

オレの怒りは頂点に達した!!
もう勘弁することは出来ない

オレは自分のカバンの中から工具を取り出す
こんなこともあろうかと、いつも自分のカバンに工具を携帯していたのだ

「ちょ…ちょっと…君は何をしようとしているんだね?」
工具を持ち、車いすに向かうオレに課長が問いかけた

「安心してください。この車いすはオレが修理します!!」
オレは課長の質問に答えた

「黙っていて申し訳ございませんでした!!…オレはこの事件を解決するために南支店に潜入していました!!」
「オレはレンタル事務ではない」
「オレの本当の正体は修理屋スグルだ」

周りの人間は言葉に困っている…全員あっけに取られているのだ
まぁそんなことは関係なしだ!オレはこの車いすを修理する!!
メンテナンスと利用者様を冒涜した罪は重い!!!!
犯人の陰謀は今ここでオレが断ち切ってやる!!!!オレはそう決めたのだ!!!!

オレは改めて故障した車いすと対峙する
もう一度オレは車いすのハンドルを握る
やはり左右にグラグラに揺れてしまう……
ハンドルを固定しているネジ
そう考えていると……ある部品がオレの視界に入った
「ネジだ‥…ネジがあるぞ!!!!」
オレはハンドルのパーツ付近に複数のネジがある事に気が付いた!!!!

「よしっ……全て締め付けてやる!!!!」
ネジはパーツがグラつかないように、固定する為に使われている場合が多い
オレはプラスドライバーを手に取る
そしてハンドル付近のネジを全て締め付けた
グリッグリッグリッグリッ…グリッグリッグリッグリッ
オレは苦労の末、ハンドル付近のネジを全て締め付けた
「オレの勘が正しければこれで修理完了のはずだ……」
オレは車いすのハンドルをもう一度握ってみる…
………………………………
「だ…だめだ…これではダメだ………」
オレは結果に落胆した…確かにグラつきは多少マシになった…

しかしわずかにまだグラついている……
これでは利用者様が安全に車いすを操作することは不可能だ!!!!

オレは必死に原因を考える
これでは犯人の思うツボだ……そしてこの車いすを使用される利用者様は一体どうなるというのだ…

「仕方がない……あれを使うしかない……」
この車いすだけは絶対に修理しなければならない!!
犯人はかなりのメンテナンスの腕前だ‥
しかしこんなことにメンテナンスの技術を使っていいわけがない…
この歪んだ野望はここで粉砕する必要があるのだ!!
オレは覚悟を決めた……そして………

「スグルアイ発動だ!!!!」
スグルアイの負担にオレの身体が耐えきれるかはわからない…しかそれがどうした……
オレの身が滅びたとしても、自分の使命を果たすだけだ!!!!
オレの使命はこの車いすを修理することだ
なぜならオレは修理屋スクルだからだ!!!!

オレはスグルアイを使った状態で、もう一度ハンドル部分を見る
スグルアイの効果で、シート部分かぼんやり透けていく
シートを透過して中のハンドル部分まで見ることが出来た
すると……車いすの背シートの裏側に何やらいくつかの物体が見えた……

「まさか……これは………」
オレは興奮しながらも冷静に、背シートとハンドルを固定しているネジを外した
そして背シートをズラしてハンドル部分をむき出し
にする
すると……驚くべき光景がオレの目に広がった!!
背シート裏側のネジ
「こ…これはネジだ……こんな所にもネジが隠れていたのか?…」
なんと背シートで隠れている部分にも、締めるべきネジが2本存在したのだ…!!

………………………………
このネジを締めればおそらく事件解決だ
オレは急いでドライバーを握ろうとする……

すると……オレは背シートの裏側にネジ以外の物体があることに気が付いた‥
オレはその物体を手に取り眺めた
そして…その正体に気が付いた
「ま‥……まさか……これは……あの人の……」
「こ……これが…ここにあるという事は…………犯人の正体は………もしかして……」



オレは驚愕の真実に気付いてしまった
しかし今は修理を完結させる必要がある
オレはとりあえずその物体を作業着のポケットに入れる
さぁ修理再開だ
オレはドライバーを手に取り、先ほどまでは見えなかったむき出しのネジを締め付ける

「ようやく引きずり出してやったぞ…そうやって隠れて裏でコソコソ企んでいたお前の野望もこれで終わりだ!!…オレと同じ時代を生きたことを後悔するんだな…」
「メンテナンスはクレームを起こすために使うんじゃない」
「メンテナンスはこうやって、車いすを修理するために使うんだーーーー!!!!」

オレは犯人の心に届けとばかりに、魂を込めてドライバーでネジを締め付けた
ネジを締め付けた後に、もう一度車いすのハンドルを握った……
「ハンドルは全くグラつかない……完全に固定されている……これで修理完了だ!!!!‥…」
オレは犯人の野望を完全に打ち砕いた!!!!
………………………………
もう夜も遅い‥…
今日はこれで解散だ……

主任は修理した車いす明日納品すると言っていた……

………………………………
………………………………
翌朝になった…
オレは朝早くに南支店に出勤した…

まだ誰も来ていない……そりゃそうだ…‥株式会社AVEC社の始業時間は朝9時……今はまだ朝の7時だ……

オレは息を殺してある人が来るのを待つ…
「オレの推理が正しければもうすぐ犯人がここに来るはずだ」
オレは昨日 修理中に見つけた物体を握りしめながら……その時が来るのを待つ……ただひたすらに待つ…

ガチャッッッ!!!!
その時‥…誰かが部屋に入ってきた
時刻はまだ7時半だ…こんな時間に誰も出勤するはずがない
部屋に入ってくると、一目散に昨日オレが修理した車いすに向かっていった
そして車いすをひっくり返したり……下から覗いたり……何かを探しているようだ‥

「探し物はこれですね?」
オレはその人物に話しかける!!そして手に握っていた物体を見せた

「これが車いすの中にあったということは…この車いすに細工したのはあなたという事だ!!!!」
「あなたは昨日オレよりも早く出勤していた。しかし…普段そんなことは一度も無かった…」
「そして今もこれを探すために誰もいない時間に出勤したんだ…」
「犯人は間違いなくあなただ」
「教えて下さい……どうしてあなたがこんな事件を起こしたんですか?…」

オレは犯人に問いかけた…!!
「昨日これを身につけていなかったのは、車いすに細工をしている最中に落としてしまったからですね?‥…そうですね‥…?」

オレは自分の手に握っていたイヤリングを犯人に渡した…

………………………………
しばらく沈黙が続いた‥…

………………………………
そして……………………

………………………………
やがて彼女はゆっくり話し始めた…
………………………………

続く

修理屋スグルと沈黙のFIVE LIARS.10  最終章  真相編②

2022-08-15
【LIAR CASE.2】 課長の嘘

いきなりだが…俺はメンテナンスが大嫌いだ!!
新人時代に習ったが全く上手くできない

俺はメンテナンスがヘタクソだったせいで若手時代は随分苦労した
それでも必死に頑張って、この南支店の課長にもなれた

そもそもメンテナンスなんて我がAVEC社には必要ないのだ
故障すれば同機種交換すればいいだけだ
あんなものを覚えなくても、一人前の営業マンとしてやっていけるのだ

俺のキャリアは正に順調そのものだった
ついに出世を重ね、課長にもなった

しかしそんな俺にも許せない存在が一人いる
それはあの修理屋だ!!!!

奴は俺と同期で、最初からメンテナンスがうまかった
俺は営業になり、奴は修理屋としてメンテナンスの道を歩んだ‥

すぐさま奴はメンテナンス部門のトップになった

俺はその後どうにかして営業課長になった
しかし会社の信頼や地位は、あの修理屋の方が上だった
なんとか状況を逆転する方法はないだろうか?
俺はその頃 そんなことばかり考えていた

………………………………
………………………………

今から5年前の出来事だ!!

ある営業マンが一台の車いすを持ち帰ってきた
それは今の営業主任
当時はまだ南支店に配属したばかりだった…

彼が持ち帰った車いすは後輪がパンクしていた
利用者が車いすを使おうとしたら、タイヤがぺしゃんこになっていることに気がついたらしい

それで慌てて営業が車いすを引き取りに行ったというわけだ

営業マンが慌てた声で言う
「利用者様もカンカンですよ!!明日までに対応しないとかなりマズい状況です」
「課長、交換分は用意出来ないんですよね?…どうしましょう?…」

そうだ…この車いすは現在在庫がない
同じ商品がないと同機種交換をすることはできないのだ

俺は考える……そしてふと思い出した…
そういえば俺の車に同じ車いすがあった……ちょうど今日納品がキャンセルになった分だ……

これでこの営業マンを助けられる
営業マンに在庫があるのを教えようとした……
その時……俺はある案を思いついた……

………………………………

俺は1本の電話をかける
電話が終わった後に南支店の社員に伝える

「まぁでも安心してくれ…」
「今回は彼が来てくれることになった…」
「みんなもご存知のあの修理屋だ」

オオオオーーー!!!!!
周りから拍手と歓声が上がる

俺はその社員の反応を冷ややかな目で見つめていた

「何が修理屋だ…今にみておけよ」

………………………………
………………………………

やがて一人の男が車から降りて、そのまま事務所に入って来た

俺が呼んだ修理屋
俺の同期で今やメンテナンス部のトップだ

手には工具箱を持っている

「待っていたよ」
俺は修理屋を歓迎する…振りをする

「交換分の商品も無くて困っていたんだ…」
「でも君が来てくれればもう大丈夫だ」

周りも全員安心している
まるで先程の絶望などなかったかのようだ
それほど彼の信頼は絶対なのだ

俺は彼に話す
「あまりゆっくり話している時間もない!!」
「それではさっそく始めてくれ!!」
「任せたぞ!!…修理屋!!…」

………………………………
………………………………

彼は10分足らずで完全に修理をした

ぺしゃんこになっていたタイヤが完全に復活している
さすがの腕のようだ!!……
修理屋は修理が終わるとすぐに南支店を去って行った

事務所の中はまだお祭り騒ぎだ!!!!

「やっぱり凄い……頼りになる……」
営業マンも大喜びだ!!!!

「じゃあ私は車いすを返却してきます」

と、営業マンは修理が終わった車いすを納品しに行こうとした

「ちょっと待て!!!!」

俺は営業マンを呼び止めて、人目のつかない一階に連れて行った

そして俺は営業マンに二つの物を渡した
一つは自分の車から降ろした同機種交換分の車いすだ
そしてもう一つは破れた虫ゴム

俺は営業マンに言う
「いいかよく聞け!!…今 修理屋が修理した車いすがあるだろう!!…その車いすの虫ゴムをこの破れた虫ゴムに交換してから納品しろ!!」

営業マンはポカンとしている

「なぁに!!……すぐに空気は減りはしない!!タイヤがぺしゃんこになるまでに1週間はある…」
もし1週間後にクレームがきたら、すぐにこの交換分の車いすに同機種交換するんだ」
「いいか君はまだ南支店に配属されたばかりだろう?!…俺の言うことを聞いておけば悪いようにはしない……分かったな…これは命令だ!!!!」

営業マンはすぐに行動しようとしない…俺の指示に戸惑いがあるようだ…

お前のキャリアがどうなってもいいのか!…さっさと指示通りに動け!
俺は営業マンに激を飛ばし、無理やり指示を実行させることにした

営業マンは分かりましたと答えて、納品に行った

………………………………
………………………………

そして1週間後に空気が抜け、クレームが発生した

しかしすぐに同機種交換をしたことで、むしろ南支店の対応の速さが評価された……

ちなみに今回のクレーム処理の対応を指揮したことは、全て課長ということになっている

こうして南支店と課長の影響力はどんどん拡大していった


逆にクレームの全ての責任はメンテナンス部門が負うことになった
そしてメンテナンス部の信用は地に落ちていった………

………………………………
………………………………


【ある日の全社合同会議】

「南支店課長……何か意見はありますか……」

会議の議長が俺に意見を求めてきた

「メンテナンス部の件ですがねぇ……いやぁ…前回はひどい目にあいましたよ‥…」
「修理をしたところまでは良かったんですがねぇ……その後にまた同じように空気が抜けて故障して…それが原因でクレームなんですから……ビックリしましたよ……」
「ワッハッハ!!!!」

全員が俺の話を聞いている
もはや俺の影響力は絶対だ‥!!!!
今がチャンスだ!!‥…
なにが修理屋だ…ふざけるなよ‥
叩き潰してやる!!

俺は発言を続ける

「もはや必要ないんじゃないでしょうかねぇ??……」
「AVEC社にメンテナンス部門は必要ないかと思います!!」


「レンタル品は全て外注すればいいんですよ!!…破損すれば交換すればいいだけなんですから……その方が経費も抑えられるんでしょう‥…」

「浮いた経費で営業を増やしましょう!!」

「それで売り上げも倍増ですよ!!」

「ワッハッハ!!!!」「ワッハッハ!!!!」「ワーーハッハ!!!!」

………………………………
………………………………

もはや今や俺を抑えられる人間はこのAVEC社には存在しなかった…

やがて株式会社AVECのメンテナンス部門の閉鎖が決まった……

俺は修理屋に勝った!

いや…メンテナンスに勝利したのだ!

ワッハッハ!!!!

続く

修理屋スグルと沈黙のFIVE LIARS.9  最終章  真相編①

2022-07-29
【LIAR CASE.1】 営業主任の嘘

私が株式会社AVECに入社したのは、かれこれ10年前の話だ

もちろんこの会社に簡単に入社できたわけではない
思えば、あの就職活動の日々は私の人生で5本の指に入るほどの地獄のような日々だった

当時の私は今よりも口下手で、面接を受けては、落とされる毎日の繰り返しだった
それでも私は諦めなかった
面接で失敗するたびに、何が駄目だったのかを徹底的に研究した
そして私は自分を鬼にして、改善に改善を重ねた
そうして…ついに私は苦手な面接を克服することに成功した
株式会社AVECから、やっとの思いで内定を勝ち取ることに成功したのだ

AVECに入社した後も、苦労が絶えることはなかった
同期の社員たちは入社当時から活躍し、みるみる出世という階段を昇っていった
周囲の社員は私をどのような目で見ていたかはわからない
しかしそんな状況でも、私は腐らずにやってきた
株式会社AVECでコツコツ頑張ってやってきたのだ

ちょうど5年目に私はこの南支店に配属された
南支店はAVECの中でも売上がトップクラスの部署だ
私の実力もついに認められようとしているのかもしれない

去年は営業主任に昇格することもできた
何と喜ばしいことだ
私の努力もついに報われようとしているのかもしれない
そんな実感が湧いてきた

私は決して派手な活躍はできていないかもしれない‥
それでも順調に私はAVEC社で社会人としてのキャリアを積んできた
そしてその地位もようやく安定しようとしている
私はようやくこの長かった社会人生活の中で、安息の日々を迎えることができるはず……だった…

………………………………

そんな時だ…
今年になって二人の新入社員がこの南支店に配属されてきた

一人はいかにも新人といった感じだ
現在私と営業同行をして勉強している

あまり物覚えがいいわけではない
まぁまだ新人なので当たり前だ

それでいいのだ
私も昔はそうだった
一つ一つ仕事を覚えていけばいいのだ
きっと彼もまた、これから成長していくことだろう!!

問題はもう一人の新人だ
奴は教えたことは何でもすぐに吸収した

最初は良くできる新人くらいに考えていた
しかし奴の成長スピードは尋常ではなかった

一ヶ月が経つ頃には奴は1人で営業活動をするようになった
そして半年後には私の営業成績を抜かしてしまった!!
いつしか奴はAVECの未来のホープと呼ばれるようになった

奴が活躍するにつれて……私の存在感は徐々に薄まっていった…
このままでは、私がようやく築き上げた地位が崩れてしまう…
私はもはやこの大型新人に対して恐怖を抱くようになっていた…

………………………………
………………………………

ある日、事務所に一本の電話があった…
私はたまたまその電話の対応をした

なんとその電話は、奴の利用者からの電話だった
電話の内容は訪問時間の連絡だった

私は電話の内容をメールで奴に連絡しようとした

その時だ………

「嘘の訪問時間を教えてやろう」
「私に屈辱を与えた罰だ…お前も恥をかいてしまえ……」

私の頭の中で悪魔が囁(ささや)いてしまったのだ!!!!


………………………………
………………………………

そうだ………

奴に起きた一件目のクレーム…
嘘の訪問時間を奴に連絡したのはこの私だ


奴がすべていけないのだ…

新人に営業成績を抜かれた屈辱の日々……
そして…そんな私に対する周囲からの冷ややかな対応……
奴も私と同じ屈辱を味わう必要がある……
奴のせいで私が苦労して築き上げた社会での地位は崩壊した
その責任を奴に取らせる必要があるのだ…

………………………………
………………………………

しかし…私が仕組んだのはその一件だけだ
ほんの少し奴に挫折を与えるだけでよかったのだ

まさかその後に3件もクレームが続くとは思わなかった……

それに気になるのは3件目と4件目のクレームだ
虫ゴムが原因でパンクだと……
まるで5年前のあの事件
と同じではないか……

………………………………

5年前に私はまだ南支店に配属されたばかりだった
右も左も分からない私は課長の命令に絶対従う必要があった
そんなある日…私は課長に破れた虫ゴムと交換分の車いすを渡された

「今修理した車いすの虫ゴムを、この破れた虫ゴムに交換しろ…そしてその状態でこの車いすを納品しろ!!」
「しばらくして、この車いすの空気は抜ける…そしてクレームになるだろう…」
「なぁに安心しろ!!…クレームが発生した直後に、この同機種交換分の車いすを納品すればいい!!……それですべて大丈夫だ……」
「ワッハッハ!!!!」

と課長に命じられた

当時の私は課長に逆らうことなどできず、言われた通りに虫ゴムが破れた車いすを納品した
そして一週間後に車いすの空気が抜け、利用者からクレームの連絡があった
私はすぐに課長に渡されていた車いすで同機種交換を行い事態は収束した……
はずだった……

まさか後にあんな出来事が起こるとは思わなかった…
それからしばらくして……
なんとAVEC社のメンテナンス部が閉鎖されてしまったのだ

全て課長が仕組んだことだ…
私は恐ろしい人間を味方に付けてしまったのだ……

………………………………

………………………………

しかしあの破れた虫ゴムに交換した件は、課長と私しか知らないはずだ……

今回の3件目と4件目の事件は手口がまるで同じじゃないか?……

一体誰がどんな目的で、今回の事件を引き起こしているなだ?
当時のメンテナンス部の関係者が我々に復讐しょうとしているのか?…
まったく分からない………
頭の中がパニックだ……

そしてその復讐の牙はついに私にも向けられた……
私が納品した車いすにも細工がされていたのだ…


私はただ頑張ってコツコツキャリアを積み重ねていただけだ

………………

誰が私になんの恨みがあるのだ…
たった2回小さな罪を重ねただけじゃないか…

………………

私は決して悪くない

………………

あの悪魔のような課長が悪い…
そしてあの生意気な新人が悪い…

………………

私は決して悪くない

………………

続く

修理屋スグルと沈黙のFIVE LIARS.8  第二部  事件編④

2022-06-27
オレが電話にでた相手はホープ君の一件目のクレームの利用者だった
ホープ君が訪問時間を間違えた事件だ!!
 
利用者様がおっしゃるには‥‥13時に約束をしていたのに‥…実際にホープ君が訪問したのは14時30分らしい…それに現場に到着したホープ君は、遅れたことに謝罪もせずいきなり商品を納品しようとしたのだ…
それに怒った利用者様がホープ君を怒鳴りつけてクレームになってしまったのだ
 
「先日は誠にに申し訳ございませんでした」
オレは利用者様に謝罪をする…
 
しかし…オレにある疑問が浮かぶ……
 
完璧主義のホープ君がそんないい加減な対応をするだろうか?
仮に訪問時間に間に合わないことはあるかもしれない……
しかしホープ君なら事前に利用者様に遅れる旨を伝えるはずだ‥…
これはまさか……
 
オレは電話の相手に質問する
「恐れ入りますが…前回の13時の訪問時間は直接担当営業に伝えられたのでしょうか?」
 
すると予期せぬ答えが返ってきた
 
「いいや今回と同じように事務所に電話したよ」
「確か男性が電話に出てくれて…その人に13時に来てくれと言った」
「確か担当営業にメールすると言っていたと思う」
 
………………………………
………………………………
 
なんと驚愕の事実判明だ
ホープ君の間違えた訪問時間は、利用者様から直接知らされたものではなかった…‥
 
ホープ君に時間をメールした人間が訪問時間を操作した可能性が出てきた
すると…そのメールをした人物が犯人なのか…‥
 
………………………………
………………………………
 
「分かりましたありがとうございます…それでは明日一時に訪問させて頂きます……それでは失礼致します」
オレは電話を切った
 
………………………………
………………………………
 
事件が大きく動き出した
 
あとはメールを送った社員さえ特定できれば事件解決だ!!
そういえば、男性が電話の対応をしたと言っていた
ということは犯人は事務の花子さんではないのか?
 
残るは課長か?…営業主任か?…見習い君か?…はたまたホープ君の自作自演か?…
まだまだ謎だらけだ!!
しかし事件解決に向けて一歩進展したことは間違いないようだ…
 
………………………………
………………………………
 
オレが考えている間にホーブ君が事務所に戻って来ていた
 
「○○様から先程連絡が事務所にあったよ」
「明日の13時に靴を一足納品してほしいそうだよ」
 
オレはまずホープ君に依頼があったことを伝える…
 
そして……
 
オレは事件の真相に迫る質問をする
 
「前回の訪問で遅刻があったので……今回は必ず時間厳守で頼む、と言われていたよ」
「前回の訪問時間のメールはここ南支店の事務所からメールで届いたんだよね?」
「よかったらそのメールを見せてくれないかな?」
 
ホープ君は会社携帯を触ってメールを探す
「あった……これですね…」
ホープ君はオレにメールを見せてくれた
 
メールの文面はこうだ
 
【件名】○○様より訪問依頼
【本文内容】
お疲れさまです。
先程○○ 様から事務所に連絡がありました
○月○日の14時半に訪問してほしいとの事です
よろしくお願い致します
 
………………………………
………………………………
 
クソっっ!!…事務所からのメールなので誰が送ったか分からない…しかも送信者の氏名も記されていない…
これではメールの送り主を特定することは不可能だ!!
 
しかし今回新事実が判明した
メールの訪問時間は14時半と書かれていた
利用者様が伝えた時間は13時のハズだ…
 
やはり訪問時間は細工されていた…
一件目の事件は、「時間トリック」によって誰かが仕組んだことだったのだ
 
………………………………
………………………………
 
「どうしてメールで送られてきた時間が間違っていたことを、利用者様に伝えなかったんだい?」
オレはホープ君に質問した
 
するとホープ君が答えた
 
「そんなことを言って利用者様に言い訳をしても仕方がないじゃないですか……」
「それに利用者様を疑うことにもなりますし……」
 
なんて純粋なんだ!!!!
ホープ君の頭の中には利用者様のことしか存在していないのだ
ほんとうに感心だ!!
オレのホープ君に対する感情はもはや尊敬に変化していた
 
………………………………
………………………………
 
ホープ君のメールを確認している間に、課長が事務所に戻って来ていた
 
そして車いすの納品に行っていた営業主任と見習い君も戻ってきた
 
………………………………
………………………………
 
何やら主任の様子がおかしい
 
主任が言う
 
「や…やられましたよ…」
「私の車いすにも細工がされていました」
「納品しようとしたハンドルがグラグラで納品出来ませんでした……」
「明日中に交換品を必ず持ってこいと言われました」
「最悪だ…どうすればいいんだ…」
 
主任はパニックで我を忘れてしまっている!!
 
しかしこれはどういう事だ?…
犯人の狙いはホープ君ではなかったのか?
 
主任はさらに狂ったように話し続ける
 
「やはりこれは我々への復習なんだ!!!!……」
「過去にあんな事をしてしまったからいけないんだ…」
「チキショーーーーー!!」
「課長……助けてくださいよ……私はあの時あなたの指示通りに動いただけなんですから……」
 
課長が言う
「し……知らん……オレは何も知らん……」
 
………………………………
………………………………
 
なんと…南支店で5件目のクレームが発生してしまった!!
しかしは被害者は主任だと‥…
 
ターゲットはホープ君じゃなかったのか?!!!!!
 
オレの頭は今起きている状況に追い付くことが出来ない…
 
一体なにがどうなっているというのだ…
 
「…過去にあんな事をしてしまった……あなたの指示通りに動いただけ…」
課長と主任は何の話をしているのだ??
 
それをただ見つめるオレとホープ君と花子さんと見習い君
 
そして…
この状況を…一人あざ笑う…真犯人LIAR…
 
AVEC社 南支店事務所は大混乱だ!!!!
 
続く

修理屋スグルと沈黙のFIVE LIARS.7  第二部  事件編③

2022-06-13
また次の日になった
朝出勤すると花子さんが既に事務所で仕事をしていた
 
「おはようございます」
オレは花子さんに挨拶をした
 
「お‥‥…、、おはよう……」
「………………………」
花子さんが挨拶を返した
 
しかし…昨日よりも明らかにテンションが低い
 
昨日はあんなに元気だったのに…
本当に女性の心は分からない……まるで宇宙のようだ…
 
それに…他にも何か花子さんに違和感を感じる
何かが昨日とは違う気がする……
 
まぁそれよりも仕事と事件解決が重要だ!!
オレは気合を入れながら派手な黄色のジャンパーに袖を通す
相変わらず派手なジャンパーだ……
 
………………………………
………………………………
 
次は見習い君が出勤してきた
 
彼はまず花子さんに挨拶した
 
「おはようございます花子さん」
「あれ、今日はイヤリングしてないんですね」
「どうしたんですか?」
「恋人と喧嘩でもしたんですか?」
「元気だして下さいね」
「今日もいっしょに頑張りましょうね」
 
彼はそう言って自分の席に向かって歩いて行った
 
………………………………
 
こらこら見習い君……恋人と喧嘩したとか……そんな傷口をえぐるようなこと……ストレートに言っちゃだめでしよ……
 
本当に彼は空気が読めない
そんなこと…直接本人に言ったら怒るに決まってるじゃないか
思ったことがすぐに口に出るんだなぁ…
ダメだよ…もうちょっと考えてから話しましょうね♪
 
………………………………
 
オレは恐る恐る花子さんの様子を見てみる
 
あー睨んでる睨んでる
花子さんの見習い君への怒りはほぼ頂点に達していた
 
こりゃだめだ……知ーらない……今日の花子さんは一日中機嫌がよろしくないぞ……
オレはさじを投げた!!
 
しかし…そうか…
花子さんは、今日はイヤリングを付けていなかったのか!!
だからオレは、今日の花子さんに違和感を感じたのだ
 
オレの疑問が解消された
見習い君グッジョブ!!!!
でも次からはもう少し人の気持ちを考えて発言しましょうね……♪
 
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疑問が解消したことで、オレは事件解決に集中することにした
 
昨日の課長と主任の様子は何だったのだ
オレはパンクの原因が虫ゴムの破れであることを伝えただけだ
2人の反応は明らかにおかしかった
まるで何かに怯えているようだった
 
一体どうなっているというのだ‥
そんなことを考えながら業務を行う
 
そして…昨日の報告後に課長に怒られたことはまだ納得が出来ない…オレは執念深くてしつこいのだ!
 
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主任は出勤するやすぐに、昨日届いた車イスの納品に行った
課長も早々に見習い君を連れて営業に出ていった
 
なにか嫌な空気がこの南支店に漂っている
 
大きな災いが降りかかろうとしている気がする
 
オレはそんな予感を感じていた
 
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その日はそのまま夕方になった
災いは特に起こらなかった
 
プルルルプルルルプルルルプルルル
 
オレが安心していると、事務所に一本の電話が鳴った
オレはその電話に出た
「ありがとうございます。AVECのスグルでございます」
 
「靴の注文をしたいのだが……」 
どうやら靴の注文のようだ
 
オレはレンタル事務で、販売品の担当事務は花子さんだ
オレは花子さんを探したが、どうやら他の電話に出ているようだ
営業の皆さんは外に出ているので誰もいない…
オレは自分で電話の要件を確認することにした…
 
オレは注文を確認する
「ありがとうございます。商品はお決まりでしょうか?」
 
「ほしいのは□□だ」
 
電話の相手が答えた
「商品は□□ですね?…ありがとうございます……その商品であれば現在南支店に在庫がありますので明日中にはご納品できるかと思います」
「ご希望の訪問時間はございますでしょうか?」
オレはマニュアル通りに電話応対を進めた
販売事務もなかなかいけるな!!…オレは自分の才能に酔いしれていた…
 
「13時だ」
電話の相手が答えた
 
「13時ですね?…かしこまりました…では訪問する担当営業に今の件を連絡させて頂きます‥…何か変更点があれば営業から連絡させて頂きます」
「ではありがとうございました……失礼致しま‥………」
 
オレが電話を切ろうとすると、電話の相手がまだ話しかけてきた…
「今度は時間を間違えないでくれよ!!!!」
 
 
「………」
「と……申されますと………」
よく分からないのでオレは質問した
 
電話相手は一気に話し出した
 
「だから今回は時間を間違えないでくれよと言っているんだ!!」
「前回も13時に約束していたのに、1時間待っても全然来やしない!!!結局来たのは14時30分だ…」
「やっと来たと思ったら……謝りもせずにいきなり商品を納品しようとしやがった…」
「オレは頭にきてその場で怒鳴りつけてやったんだ!!!!」
「まぁその場でしっかり謝罪をしてくれたから、こうしてまた注文しているわけだが………」
 
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訪問時間のミス……クレーム
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どこかで聞いたことがある話だ
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そうか…そうだ……この南支店で起こった連続事件の最初のケース……
ホープ君が訪問時間を間違えた事件だ!!!!
 
なんと電話の相手は、ホープ君の一件目のクレームの利用者様だったのだ!!!!



 
続く
 

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