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福祉用具消毒メンテナンス

株式会社ウィズでは介護用ベッドや車いすなどの福祉用具レンタル商品のメンテナンスにおいて、ひとつひとつ丁寧な作業を心がけています。
回収されてきた用具を、清潔で安心な用具として再利用できるようにメンテナンスを行います。
洗浄、消毒、点検、修理など技術や経験を要する作業は専門のスタッフが、隅々まで徹底的にチェックを行い、新品同様の状態に整備いたします。

弊社はISO9001を取得しており、メンテナンスの品質管理や衛生管理に厳しい定めを設けており、結果、ご利用者様やケアマネジャーの方々から信頼をいただいております。

レンタル商品洗浄・消毒工程

     弊社のレンタル車いすとバーコード管理
レンタル福祉用具を次の方に安心して利用していただけるように
管理された【消毒・洗浄・メンテナンス・保管】を行なっています。

全てのレンタル商品はバーコード管理がされており
商品入荷時より 【出荷・引取・消毒・保管・廃棄】までを
管理しています。(帰歴管理)


⬇︎消毒・メンテナンスの詳細な工程はこちら⬇︎
                       修理担当の現実と妄想の間 日記

修理屋スグルの消毒メンテナンス日記一覧

★歩行器の整備と消毒 (1話読み切り)

★後輪タイヤ交換の巻 (全2話)

★駐車ブレーキ交換の巻 (1話読み切り)

★虫ゴム交換の巻 (1話読み切り)

★修理屋スグルとフットレストの陰謀 (全3話)

★修理屋スグル戦慄のパーキングミッション (全7話)

★修理屋スグルと沈黙のFIVE LIARS 第一部 序章編 (全4話)

★修理屋スグルと沈黙のFIVE LIARS 第二部 事件編 (絶賛更新中〜)

修理屋スグルと沈黙のFIVE LIARS.2  第一部 序章編②

2022-04-12
オレは事務屋スグル
今日も「事務道」を極めるために頑張るのだ
 
オレの業務は福祉用具のレンタル商品の手配だ
いわゆるレンタル事務というやつだ
 
福祉用具サービスには大きく販売のサービスとレンタルのサービスに分かれている
 
オレの業務はレンタルのサービスに関係している
 
営業がレンタル依頼を利用者様から頂いてくる
納品日に間に合うようにレンタル商品を手配するのがオレの業務なのだ
 
………………………………
………………………………
 
「交換分の商品の手配を大至急お願いしますよ!!」
 
業務開始早々、さっそく依頼のお出ましだ
声をかけてきたのは、この部署の新人営業だ
 
「明日中に同機種交換したいので、間に合うように手配をお願いします」
「今月3件目のクレームですよ」
「なんだか最近ついてないなぁ!!」
 
そう言って、ブツブツ言いながら去って行った…
 
彼は新人ながら、この南支店のトップ成績を収めている
まさにこの会社の未来のホープ!!
人呼んでホープ君だ!!!!
完璧主義でほとんどミスなどしない
利用者からの信頼も高く、今や南支店のエース的存在なのだ
 
「なんで僕ばっかりこんな目に会わないといけないんだ!!!!」
 
去っていったはずなのに、声だけがどこからか聞こえてきた
どうやらホープ君は最近少し機嫌が悪いようだ…
 
「あんなにイライラされたらこっちも仕事がやり辛くなりますよね?」
 
そうオレに声を掛けて来たのは、もう一人の事務だ
 
名前は花子さん
この男臭い事務所の中でまさに花のような存在だ!!!!
花子さんは基本的に販売関係の商品の手配を担当している
 
「ちょっと売上が凄いからってなんなのよ…」
 
花子さんは基本的に大人しい性格なのだが、ホープ君の機嫌が悪いので、花子さんも最近少しイライラしているようだ…
 
「主任もたまにはビシッと言ってやって下さいよ!!」
「あんな調子じゃこちらの仕事にも悪影響が出ますよ!!」
 
花子さんの怒りが飛び火したのは、ホープ君の上司の営業主任
 
「まぁまぁ…」
「まだ新人なんだから大目に見ましょうよ!!」
「彼もまたすぐいつもの調子を取り戻します」
そう言って、花子さんをなだめている
 
主任は基本的に平和主義で、仏様のような方だ
まぁ、ホープ君の勢いに手出しができないだけのような気もするが…
ちなみにホープ君の売上は、主任よりも高い
もはや主任が何か言いたくても言えない空気になってしまっているのも悲しいことに事実だ
 
「まぁそんなに気を落とすな!!」
「弘法(こうぼう)も筆の誤りってやつだ!!!!」
「すぐにまた調子が出てくるさ!!!!」
「ワッハッハ!!!!」
落ち込んでいるホープ君に話しかけたのは課長
 
課長は南支店を統括している所属長だ
いわば我が南支店のトップであり、リーダー的存在だ
 
課長はホープ君のことをいつも気に掛けている
売り上げ目標達成のためには、ホーブ君の調子が大いに影響してくる
だから基本的にホープ君には優しいのだ
 
ただ…
反対に他の皆さんには厳しい面があり……
 
「みんなも彼が元気になるように励ましてくれよ!!」
「彼が調子を取り戻すまで、君たちもたまには活躍してくれよ!!!!」
「ワッハッハ!!!!」
 
「はぁ……そうですね…」
営業主任と事務の花子さんが力ない声で返事をする…
 
課長は明るくて基本的には善人なのだか…
まぁ…何というか……
デリカシーが無いというか‥…
とりあえずそんな感じだ… 
 
………………………………
………………………………
 
「君もそう思うだろう!!」
「彼の元気が出るように少しは頑張れよ!!」
「ワッハッハ!!!!」
 
「はい」
「今日も精一杯頑張ります」
「課長ありがとうございます」
 
そう返事をしたのはホープ君と同期の新入社員だ
彼も営業なのだが、まだ見習い中で先輩と同行して営業の勉強をしている
新人の見習い君
 
見習い君は……まぁ…‥
素直でいいやつなのだが……‥
少し天然な面があり……
先程も別に褒められてもいないのに……
課長に「ありがとうございます」と言ってしまうあたりが………
会話が成立しないというか‥…
空気が読めないというか……
………………………………
まぁ、なにせ憎めないカワイイ奴なのだ!!!!
まだ仕事は一人で任せられないが……!!
 
 
とりあえず、この南支店営業所には俺を除いて5名の社員がいる
 
元気な課長
仏様のような主任
マドンナ花子さん
エース的存在のホープ君
空気が読めない見習い君
この仲間達といっしょにオレは事務屋として業務を行っているのだ

 
続く

修理屋スグルと沈黙のFIVE LIARS.1 第一部 序章編①

2022-03-11
【5年前】

キキキキィィィーーー!!
1台の車が大急ぎで事務所に戻ってきた…
 
「課長、引き取って来ました!!」…
そう言って、営業マンが車から1台の車いすを降ろす…
 
「これは想像していたよりヒドイな」
課長が車イスの様子を確認する‥
 
「利用者様もカンカンですよ!!明日までに対応しないとかなりマズい状況です」
営業マンがかなり困っている
「課長、交換分は用意出来ないんですよね?どうしましょう?」
 
課長がしばらく考えた後で、重い口を開く
 
「そうだ!! その商品は今は在庫がない!! 」
「今回は残念ながら同機種交換をすることは無理だぞ!!」
 
周囲に絶望が走る
 
………………………………
………………………………
 
課長が誰かに電話をしている…
課長がその電話を切ったあとに話し始めた
 
「まぁでも安心してくれ…」
「今回は彼が来てくれることになった…」
 
オオオオーーー!!!!!
周りから拍手と歓声が上がる
 
「もうすぐ到着する頃だ」
「彼の予定が空いていて本当に助かったよ」
 
そうやって事務所で話し合っている間に、一台の車が南支店に到着した!!!!
 
一人の男が車から降りて、そのまま事務所に入って来た
手には工具箱を持っている
 
「待っていたよ」
 
課長が歓迎する
「交換分の商品も無くて困っていたんだ…」
「でも君が来てくれればもう大丈夫だ」
 
周りも全員安心している
まるで先程の絶望などなかったかのようだ
それほど彼の信頼は絶対なのだ
 
課長が話を続ける…
「あまりゆっくり話している時間もない!!」
「それではさっそく始めてくれ!!」
 
任せたぞ!!…修理屋!!…
 
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【現在】

オレはスグル
電車に揺られて一時間……
本日も株式会社AVECの南支店事務所に出勤だ
 
「おはようございます」
 
周りの社員に挨拶をしながら、まずはパソコンの電源ボタンを押す
パソコンが起動するのを待ちながら、オレはAVEC社の黄色いジャンパーに袖を通す
「しかしいつ見ても派手なジャンパーだ……」
業務には慣れてきたが、この服にだけはまだ抵抗がある
 
「それでは本日の朝礼を始めます」
当番の声がフロアに響き渡り、やがて朝礼が始まる
 
「株式会社AVECの社是を唱和します」
号令に合わせて、部署全員で社是を唱和する
 
「挑戦と創造。夢や希望は実現する…‥…」
社是の唱和が始まる
オレも覚えたての社是を周りに合わせて言う
 
ようやく社是を唱和し、それと同時に朝礼も終わる
 
朝礼が終わり、自分のデスクに戻る頃にはパソコンも起動していた
席に座りオレは気合を入れる
こうして今日も事務としてのオレの一日が始まるのだ
 
レンタル事務屋スグル
それが今のオレに与えられたミッションだ

続く

修理屋スグルと戦慄のパーキングミッション ⑦トゥルーミッション

2022-02-24
つい先程まであんな激闘があったとは思えない
まるで嵐の後の静けさのようだ
 
オレはこの車いすのブレーキを完全に修理した
ついにオレはやり遂げたのだ
 
両腕がボロボロだ
スグルハンドも限界だった
やはりまだ器が完成していない
まだまだ修行が必要だ!!
 
 
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しかしまだ戦いは続く…
本当にブレーキ調製が完了しているか確認する必要があるのだ
 
 
確認ポイントは2つだ
 
ある程度空気が減った状態でもブレーキがしっかり掛かっている
空気をパンパンに入れた状態でも力を入れずにブレーキを掛けることが出来る
さらに②に関しては、
ブレーキを掛けたことで、過度な負荷が後タイヤにかかっていないかも確認する必要がある
ブレーキに押されてタイヤが変形してしまうケースがあるのだ
 
自分に厳しく、人には優しく……
そして車いすには特に優しく……
これがオレのポリシーなのだ!!
 
 
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とにかく…
この確認が終わらない限り、今回の修理が完成したとは言えない……
修理の道は過酷なのだ……
 
 
まずは、……
空気が減った状態でもブレーキがしっかり掛かっているか確認する
 
オレはブレーキを掛けた状態で徐々に空気を抜いていく
 
すると、どうだ……
まったくタイヤは動く気配すらない
ブレーキはずっと掛かり続けたままだ
 
ブレーキが完全にタイヤをロックし決して離さない
その姿はまるで情熱的に抱き合う恋人同士のようだ
 
残された難題はあと一つだ
 
オレは②の
空気をパンパンに入れた状態でも力を入れずにブレーキを掛けることが出来るかと、
ブレーキを掛けたことでタイヤが変形していないかを確認する
 
一応手順通り確認を行うが、……
今のオレにもはや不安要素ははない
オレが想定した出来事が予定通りに起こるだけだ
 
オレは空気をパンパンに入れた状態でブレーキを掛ける
 
当然の結果なのだが…
特に力を入れなくてもブレーキを掛けることができた!!
もちろんタイヤに負荷もかかっていない
 
な、、なんと優しいのだろう……!
まるで優しく我が子を抱きしめる母親のようだ
愛情に満ちあふれている
 
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どちらの確認も行ったが、全く問題無しだ!!
やはり今回のブレーキ調整は完璧だった!!
 
これで修理完成だ!!
ミッションコンプリートだ!!!!
 
 
 
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今回はほんとうに厳しい戦いだった!!
 
しかし…
これからも戦いは続く…
 
いつまた…
これより恐ろしい敵が現れるか分からない…
 
もっと修行が必要だ!!!!
オレは心にそう誓った!!
 
 
 
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実は今回はこれで終わりではない…
 
オレにはもう一つやらなければいけないミッションが残っている…
 
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それは……
 
 
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あの営業への修理完了報告だ
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これを果たさずして、今回のミッションを終えることは出来ない
オレに課せられた最後の試練なのだ…
 
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彼には本当に迷惑をかけた‥
いくら謝罪しても足りないだろう…
 
しかし、彼のおかげでオレは今回の修理を完成させることが出来た
彼のお客様に対する誠実さと必死さがオレを変えたのだ…
 
彼はオレを受け入れてくれるだろうか……
許してくれるのだろうか……
 
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オレは報告のために彼を探しに行く
彼は2階にいた
 
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「オレは別にセンスを武器に大成功したかったわけではない」
 
「決して大それたことは考えていない」
 
「オレの望みは……たった一つ‥」
 
「たった一つだけ……」
 
「それは……」
 
「人から認められたい」
 
「たったそれだけだ」
 
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オレはまず彼に謝罪をした
そして故障の原因を説明した
それから修理した車イスを確認してもらうために、一緒に作業場に移動した
 
 
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「オレはセンスが無いことに甘えていた」
 
「いつも困難から逃げていた」
 
「ほんとうにダメな人間だった」
 
「しかし彼のおかげで変わることが出来た」
困難に打ち勝つことが出来たのだ」
 
「だから……」
 
「ほんの少しだけでいい‥…」
 
「今のオレを認めてくれはしないだろうか……」
 
「たった……一言だけでもいい…」
 
「オレを認める言葉を発してくれはしないだろうか‥…」
 
「彼の口から聞きたい…‥」
 
「オレが戦士と認めた彼の口から…‥」
 
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一緒に作業場に移動し、もう一度彼に修理した内容を報告した
 
彼はそれを黙って聞き終えた後に、車いすを触り始めた
 
本当に修理が完了しているか自分自身で確認しているのだ
 
彼は念入りに念入りに確認している
 
ようやく点検が終わった
 
その場に静寂と緊張感が訪れる
 
オレは彼が話し始めるたのをただ待つ…
 
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ようやく彼の重い口が開いた……
 
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「確かに修理は完了しているな」
 
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彼はその一言だけを言い、その場を立ち去った
 
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「世の中はそんなに甘くなかった」
 
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彼がオレを認めてくれることは決して無かった
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オレは悲しみで胸が張り裂けそうになった
 
 
しかし、オレが今回の一件で成長出来たことは紛れもない事実だ
 
 
「何度でもチャレンジすればいいだけだ」
「彼に認めてもらえるまで、精一杯努力し続けるんだ」
 
オレは心に固くそう誓った
 
 
………………………………………
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昼休みになり、オレは2階に移動する
 
作業場は1階にあるが、事務所は2階にあるのだ
 
「いちいちへこんでいても仕方がない」
 
「昼ご飯でも食べて、午後からまた頑張ろう!!」
 
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2階のオレのデスクに移動する
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すると、何か見覚えのない物が置いてあることに気が付いた
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遠くからでそれが何かはまだ分からない
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まさか…‥また修理依頼か?……
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デスクに近づいてようやくそれが何かが分かった
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そこには1杯のコーヒーが置かれていた
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またメモが貼られている
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「今回はお疲れさまでした。本当に助かった。また今後も期待している。頑張ってくれ」


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オレは胸が熱くなる
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送り主が誰かはすぐに理解することが出来た
 
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「彼が少しでもオレを認めてくれたのだろうか…」
 
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考えている間にオレは涙が出そうになった
 
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オレの身体は今まで感じたことのない気持ちで張り裂けそうになった
 
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その感情を、言葉で表現することなどは決して不可能だろう
 
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そして…
オレの中に確かな変化が起きるのを感じた
 
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それは、
 
そうそれは…
 
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それは‥‥
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まるで……
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まるで、
今までオレの心をずっと縛り続けていたブレーキが…一気に全て解除されたような感覚だった
 
 
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オレの中の何かが動き出した…
全てが開放されたような感覚!!
新しく生まれ変わった気分だ!!
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……………………
……………………
 
 
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今回の一件で…
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オレは不可能と思っていたブレーキの修理を完成させた……
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と同時に、…
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オレをずっと制御し続けていた、…
自分の中の心のブレーキを破壊することにも成功した
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つまり…これで……
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今回のオレのパーキングミッションは全て完了だ!!
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修理屋スグルと戦慄のパーキングミッション
 
ブレーキ位置写真

修理屋スグルと戦慄のパーキングミッション ⑥ノーリミット

2022-01-18
雷鳴が闇を照らす
スグルハンドが青白く燃えている!!
覚悟は決まった!!
 
あとやることは一つだけ!!
 
目の前の車いすを修理するだけだ
 
 
修理を成し遂げたいという気持ち…
そして利用者様への思いが頂点に達したとき…
オレの体に変化が起きる
 
しかし器がまだ完成していない…
オレの体が耐え切れるかだけが唯一の不安要素だ…
 
まぁ今さらそんなことも言ってられないだろう
コイツを倒さない限り修理屋として明日を生きる資格などないのだ
 
 
………………………
………………………
 
修理方法は単純明快だ
 
ベストな位置にブレーキを調整してやればいい
 
復習だが‥…
車イスの駐車ブレーキを調整する場合は、次の点に注意して行う必要がある
 
・使用する間に車いすの空気圧は減っていく
・予め空気圧が減ることを計算し、位置を調整する必要がある
 
今回のように
空気がパンパンに入った状態で、ぎりぎりブレーキが効くようにブレーキ位置を調整しておくと、
少しでも空気が減るとタイヤの押さえけられる力が弱くなり、ブレーキは効かなくなってしまうのだ
 
しかし、
タイヤとブレーキの位置を近付けすぎると、固すぎてブレーキを掛けれなくなってしまう
 
つまり
タイヤとの距離が、遠すぎず近すぎない位置にブレーキを調整する必要があるのだ
 
ブレーキ位置写真
理屈は簡単だ
しかし実際に調整するとなるとそう単純ではない
 
まぁうまくいくまで何度でもやり続けてやるさ
オレはもう一度覚悟を決める
 
 
 
………………………
………………………
 
オレはさっそく工具を握り調整を開始する
 
「まずは少しブレーキをタイヤに近づけて見よう」
 
オレは固定部品を緩めブレーキをタイヤ側にスライドさせて固定する
 
「中々いい位置じゃないか」
「スグルハンドのおかげで位置調整も容易だ」
 
前回よりも明らかに良い位置に調整できた気がする
 
「試しに空気を抜いてみよう」
 
オレは後タイヤの空気を抜く。
空気を抜いた状態でもブレーキが効いていれば完成だ
 
「ダメだ……」
 
少し空気を抜いた段階でブレーキは既に効かなくなってしまった
 
一度目は失敗に終わった
 
「なあに!!一度や二度で成功するなんて思っちゃいないさ」
 
次はもっとブレーキをタイヤに近づけて固定してみる
 
 
「ダメだ……」
 
今度はタイヤに近すぎて、ブレーキを掛けることができない。ブレーキが固すぎる
「もう一度チャレンジだ」
 
 
 
 
………………………
………………………
………………………
………………………
 
 
 
そう言って…
何十回チャレンジしたことだろう
 
何回やっても一度たりともベストな位置にブレーキを調整することが出来ない
 
「なんだこの怪物は……」
 
スグルハンドも限界が近づいてきている
 
また何回も同じ調整を繰り返していく
しかしことごとく失敗に終わる
 
オレはチャレンジこそするが、徐々に以前より希望が無くなってきているのを感じていた……
 
 
 
「やはりオレは駄目なのか‥‥しょせんオレには無理なのか… …」
「これがオレの限界なのか……」
 
 
 
 
 
 
………………………
………………………
どうしていつもこうなんだ
………………………
………………………
 
 
 
 
思えば、オレの人生はいつもそうだ…‥
何一つ成し遂げたことなどない……
精一杯努力してもたかが凡人止まりだ……
しょせん人の役にたつような人間ではないのだ…
………………………
………………………
 
 
 
オレはしょせんダメなやつなんだ
………………………
 
 
 
 
 
 
 
 
……………………… 
………………………
 
 
 
………………………
………………………
いきなりだが……
オレにはセンスというものがない
何かをやった時にはじめからうまくいったことなど一度もない
たった一度たりともだ
………………………
 
 
 
 
……………………… 
そう言えば昔からいつもこんなことばかりを考えていた気がする……
……………………… 
 
………………………
「本当にその通りだ……そうやって周りの人間が成功するのをいつも見てきたんだ‥」
………………………
 
 
 
 
 
 
………………………
自慢じゃないが努力することは別に嫌いではない
それで標準レベルくらいには到達出来る
工夫して人並みには何とか辿り着けるのだ
これはこれで凄いことだし、自分を褒めてやりたい
………………………
 
 
 
………………………
「違う…………そうじゃない……‥そうやって自分を褒めて………それで自分を肯定して、それ以上努力しなくてもいい理由を自分で作っていたんだ…オレはただ現実から逃げていただけだ…」
………………………
 
 
 
 
 
………………………
ところが世の中には特に努力をしている様子もないのに最初から標準よりレベルを超えてくる人間がいる
………………………
 
 
 
………………………
「一生オレにそんな人生はこない……オレは一生凡人のままで終わりだ…」
「オレは今回もまたダメみたいだ……‥…」
「オレは終わりだ‥…………」
………………………
………………………
………………………
………………………
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
………………………
「イヤ‥…………だ‥……」
………………………
………………………
………………………
………………………
………………………
 
 
 
 
 
 
………………………
「イヤだ」
………………………
 
………………………
「そんな人生はイヤだ」
「オレはこれからもずっと困難から逃げていくのか…自分に限界を作って凡人として生きていくのか……そんなのはまっぴらごめんだ…‥」
 
 
オレはもう一度スパナを握りしめる
 
 
 
スグルハンドはとうに限界だ
 
「そんなことは知ったこっちゃない…
オレは今まで自分に限界を作って現実から逃げていただけだ…今回もそうするのか‥…そのままでいいわけがない」

「自分の道は自分で切り開け……限界なんて物は超えるためにあるのだ…自分で勝手に作るな!!」
………………………
 
 
 
 
………………………
最初から標準よりレベルを超えてくる人間がいる
これがセンスがある人間というやつだ
………………………
 
………………………
「そんな人間はいない!!そういう人間はその前に血ヘドを吐くような努力をしているんだ!!限界のない努力をしているんだ!!いつも逃げていたオレといっしょにするのがそもそも失礼だ!!」
………………………
………………………
 
 
………………………
もう一度ブレーキ調整をしたが、今回もベストな位置には調整出来なかった
………………………
………………………
 
「失敗なんて関係ない!!次だ!!次もう一度だ!!」
「限界なんて自分で作るんじゃねぇぇーー!!超えろー」
 
………………………
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
………………………
これがセンスがある人間というやつだ
敬意を込めてセンス様と呼ばせて頂くことにしよう
………………………
 
………………………
「最初から何でも出来るやつなんていねぇぇーー!!いたとしてもそれがどうしたーー!!センス様がどうしたぁぁーーー!!!!」
「オレは………オレは……オレはぁぁーー…」
 
 
 
「それならオレは誇り高き修理屋スグル様だァァァァァーーーーーー!!」
 
 
 
………………………
………………………
スグルハンドが輝きを取り戻してきた
………………………
………………………
 
 
 
 
 
 
………………………
何が言いたいかというと、凡人がいくら努力したところでセンス様を超えることなど出来ないということだ
あの方々は選ばれて生まれた超人なのだ
これが残念ながら現実というやつだ
………………………
 
 
 
………………………
………………………
「そんなことはない」
………………………
………………………
 
 
 
………………………
「そんなことはない!!凡人でもそこに限界を作らなければ可能性は無限に広がるんだ……今からオレがそれを証明してやる」
「現実だろうが超人だろうがオレが今から全て超えてやる!!」
 
 
………………………
オレは工具を握り、全てを込めてブレーキをもう一度調整する
………………………
 
 
「決して諦めるな!!」
 
「超えろ!!!!今までオレが無理だと思ってきた全てのモノを超えろ!!」
「本当に選ばれた人間がいるのなら、それすらも今ここで超えろ!!」
 
 
「限界なんて勝手に自分で作るな!!もし、あったとしても自分で超えていけばいいだけだ!!可能性は無限に存在するんだ!!!!」
 
 
 
 
………………………
握り締めた工具がいつもより身近に感じる
まるで工具と一体化しているみたいだ
そうか!!これがスグルハンドの真の力か!!
………………………
 
 
 
「超えろぉぉーー!!!!」
 
「オレに限界なんてないんだぁぁー!!!!」
 
「超えろぉぉおーー!!!!」
 
「今までのオレの人生を超えろぉぉーー!!!!」
 
「限界を超えろぉおおおーーー!!!!」
 
「現実を超えろぉおーーー!!!!」
 
「未来を超えろぉぉぉーー!!」
 
 
「すべてを超えろぉぉおおおおーー!!!
 
 
「センスを超えろぉぉおおおーーーーーーーーー!!!!」
 
 
 
 
 
 
………………………
………………………
………………………
………………………
 
 
気が付くと両腕はボロボロになっていた
あれは一体なんだったのか
オレの人生で一度たりとも体験したことがない出来事だった
 
 
………………………
………………………
 
 
まるで激しい大嵐の後に静寂が一気に訪れたみたいだ‥
気が付くとベストな位置にブレーキは調整されていた…
 
オレは遂に成し遂げたのだ……
 
………………………
………………………
………………………
………………………
 
 
次回最終回

続く
 
 
 
 

修理屋スグルと戦慄のパーキングミッション⑤悪魔と天使

2022-01-07
確かに、使用中に空気が減ったことでブレーキが効かなくなったことは理解できた
 
それでブレーキが効かなくなってクレームになったことも納得できた
 
それなら空気を入れればブレーキがまた効くようになるなー
あの時のオレは本当に頭がどうかしていた
修理屋としての誇りとプライドを取り戻すことだけに脳の全てが支配されていたのだ
 
「幸い利用者も営業もブレーキが効かなくなった原因にはまだ気付いていない」
「それなら空気を入れてしまえばまたブレーキは効くようになる」
「それで全て元通りだ」
 
試しに空気を入れてブレーキが効くか確認してみた
タイヤはブレーキで固定されて全く微動だにしない
ブレーキがしっかり効いた状態に戻っている
 
「どうだしっかり効いているじゃないか」
「この状態で返却してしまえば今回のクレームすら無かったことに出来るぞ」
「利用者と営業がただ勘違いをしていただけだ」
「故障などしていない」
「ブレーキはずっと効き続けていたのだ」
 
オレは失敗などしてはいけない
オレは誇り高き修理屋スグルなのだ
 
………………………
………………………
 
あの偉そうな営業に何も問題はなかったと車いすを返却してやろう
 
そもそも彼が全て悪いのだ
彼がオレから修理屋としての誇りを奪い、悪魔に変えてしまったのだ
 
どうやって報告しようか?
まずは自分で状態を確認できるようになれとでも言ってやろうか?
責任感の話や業務の邪魔をするなとも言っていたな
それもそのまま倍返しにして言ってやろう
思い描いただけでニヤニヤがとまらない
 
修理屋としての誇りとプライドを奪った罪を、地獄の底で悔い改めさせるのだ
 
………………………
………………………
 
そうと決まれば早速営業に報告だ
どこにいるんだ
 
探し回ってようやく見つけた
どうやら誰かと電話をしているらしい
こんな時に電話とはのんきなものだ
まーもうすぐ自分がどうなるか知らないのだから勘弁してやろう
 
電話の声が聞こえてきた
 
「誠に申し訳ございませんでした」
「今回の件でお怪我が無かったのがまず何よりです」
「至急修理を行い、完全な状態を行い再納品させて頂きます」
 
オレが修理した車いすの所有者と話しているようだ
 
周りの社員からの話し声も聞こえる
「クレームらしいですよ」
「よりによって○○さんらしーですよ」
「○○さんを怒らせちゃったんですか?」
 
どうやらかなりのクレーマーらしい
 
「前の営業は〇〇さんを怒らせたことで何回も謝罪に行っていたみたいですよ」
「可哀想に!!まだ担当になったところなのに…」
「今回は何回呼び出されることやら…」
 
営業はまだ電話で利用者の話を聞いているようだ
 
「本当に申し訳ございませんでした」
「今回の件で○○様の信頼を失わないように誠心誠意対応させて頂きます」
「どうか我が社にもう一度だけチャンスをーーー!!」
 
………………………
………………………
 
オレの中に落雷でも落ちたかのような衝撃が落ち、思わずその場を離れた
 
彼は確かに戦っていた
現場という戦場の中で、弾丸にまみれながら立派に戦っていたのだ
しかも会社のためにだ
自分のメンツではなく、会社の代表として必死にもがいて戦っていたのだ
 
「それに比べて、オレはなんなんだ!!」
「オレは自分のちっぽけなプライドを取り戻そうとしていただけだ」
「自分の保身の為に内容をごまかそうとしていた!!また彼に恥をかかせるところだったではないか」
「そんなことで修理屋の誇りが取り戻せるのか?」
「そもそも修理屋のメンツなんてくだらない」
「そんなプライドなんて捨ててしまえばいいんだ」
 
オレはこれでもかと自分を恥じた
 
「そもそもオレが今 修理屋として成立出来ているのはどうしてだ」
「オレにはセンスがない」
「いつも最初から上手く行ったことはない」
「周囲はセンスには優しいが、努力には厳しい」
「センスがあって最初から上手くいく人はこれでもかと褒め称える」
「しかし努力して出来るようになっても当たり前だと思われるだけだ」
「特に何の反応もない」
「それでも諦めずにコツコツ頑張ってきたんじゃないのか?」
「コツコツ頑張ってきたからこうして修理屋としてオレは一つの存在として今生きているんじゃないのか」
「困難をごまかして逃げるなんて絶対にしてはいけないのだ」
 
………………………
………………………
オレはどうやら目が覚めた
 
困難から決して逃げるな!!
この会社の社員として彼と一緒に利用者の信頼を取り戻す為に戦うのだ!!
 
オレの中に確固たる決意が出来た!!
………………………
………………………
しかし、どうしたものか?
………………………
完全に修理するとなると、この修理はかなり難易度が高い
………………………
それに今回は急ぎの案件だ
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コツコツ努力をする時間はないぞ
………………………
どうする
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………………………
利用者が困られている
そして営業にこれ以上恥をかかせるわけにはいかない
………………………
これが俺の限界なのか?
 
………………………
………………………
 
その時
………………………
何かのトリガーが発動された気がした 
………………………
雷鳴が闇を照らす
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気付くとオレの手は青白い炎で包まれている
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スグルハンド発動だ!!
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………………………
続く
 
 
 

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