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福祉用具消毒メンテナンス

株式会社ウィズでは介護用ベッドや車いすなどの福祉用具レンタル商品のメンテナンスにおいて、ひとつひとつ丁寧な作業を心がけています。
回収されてきた用具を、清潔で安心な用具として再利用できるようにメンテナンスを行います。
洗浄、消毒、点検、修理など技術や経験を要する作業は専門のスタッフが、隅々まで徹底的にチェックを行い、新品同様の状態に整備いたします。

弊社はISO9001を取得しており、メンテナンスの品質管理や衛生管理に厳しい定めを設けており、結果、ご利用者様やケアマネジャーの方々から信頼をいただいております。

レンタル商品洗浄・消毒工程

     弊社のレンタル車いすとバーコード管理
レンタル福祉用具を次の方に安心して利用していただけるように
管理された【消毒・洗浄・メンテナンス・保管】を行なっています。

全てのレンタル商品はバーコード管理がされており
商品入荷時より 【出荷・引取・消毒・保管・廃棄】までを
管理しています。(帰歴管理)


⬇︎消毒・メンテナンスの詳細な工程はこちら⬇︎
                       修理担当の現実と妄想の間 日記

修理屋スグルの消毒メンテナンス日記一覧

★歩行器の整備と消毒 (1話読み切り)

★後輪タイヤ交換の巻 (全2話)

★駐車ブレーキ交換の巻 (1話読み切り)

★虫ゴム交換の巻 (1話読み切り)

★修理屋スグルとフットレストの陰謀 (全3話)

★修理屋スグル戦慄のパーキングミッション (全7話)

★修理屋スグルと沈黙のFIVE LIARS 第一部 序章編 (全4話)

★修理屋スグルと沈黙のFIVE LIARS 第二部 事件編 (絶賛更新中〜)

修理屋スグルと沈黙のFIVE LIARS.7  第二部  事件編③

2022-06-13
また次の日になった
朝出勤すると花子さんが既に事務所で仕事をしていた
 
「おはようございます」
オレは花子さんに挨拶をした
 
「お‥‥…、、おはよう……」
「………………………」
花子さんが挨拶を返した
 
しかし…昨日よりも明らかにテンションが低い
 
昨日はあんなに元気だったのに…
本当に女性の心は分からない……まるで宇宙のようだ…
 
それに…他にも何か花子さんに違和感を感じる
何かが昨日とは違う気がする……
 
まぁそれよりも仕事と事件解決が重要だ!!
オレは気合を入れながら派手な黄色のジャンパーに袖を通す
相変わらず派手なジャンパーだ……
 
………………………………
………………………………
 
次は見習い君が出勤してきた
 
彼はまず花子さんに挨拶した
 
「おはようございます花子さん」
「あれ、今日はイヤリングしてないんですね」
「どうしたんですか?」
「恋人と喧嘩でもしたんですか?」
「元気だして下さいね」
「今日もいっしょに頑張りましょうね」
 
彼はそう言って自分の席に向かって歩いて行った
 
………………………………
 
こらこら見習い君……恋人と喧嘩したとか……そんな傷口をえぐるようなこと……ストレートに言っちゃだめでしよ……
 
本当に彼は空気が読めない
そんなこと…直接本人に言ったら怒るに決まってるじゃないか
思ったことがすぐに口に出るんだなぁ…
ダメだよ…もうちょっと考えてから話しましょうね♪
 
………………………………
 
オレは恐る恐る花子さんの様子を見てみる
 
あー睨んでる睨んでる
花子さんの見習い君への怒りはほぼ頂点に達していた
 
こりゃだめだ……知ーらない……今日の花子さんは一日中機嫌がよろしくないぞ……
オレはさじを投げた!!
 
しかし…そうか…
花子さんは、今日はイヤリングを付けていなかったのか!!
だからオレは、今日の花子さんに違和感を感じたのだ
 
オレの疑問が解消された
見習い君グッジョブ!!!!
でも次からはもう少し人の気持ちを考えて発言しましょうね……♪
 
………………………………
………………………………
 
疑問が解消したことで、オレは事件解決に集中することにした
 
昨日の課長と主任の様子は何だったのだ
オレはパンクの原因が虫ゴムの破れであることを伝えただけだ
2人の反応は明らかにおかしかった
まるで何かに怯えているようだった
 
一体どうなっているというのだ‥
そんなことを考えながら業務を行う
 
そして…昨日の報告後に課長に怒られたことはまだ納得が出来ない…オレは執念深くてしつこいのだ!
 
………………………………
………………………………
 
主任は出勤するやすぐに、昨日届いた車イスの納品に行った
課長も早々に見習い君を連れて営業に出ていった
 
なにか嫌な空気がこの南支店に漂っている
 
大きな災いが降りかかろうとしている気がする
 
オレはそんな予感を感じていた
 
………………………………
………………………………
………………………………
………………………………
 
その日はそのまま夕方になった
災いは特に起こらなかった
 
プルルルプルルルプルルルプルルル
 
オレが安心していると、事務所に一本の電話が鳴った
オレはその電話に出た
「ありがとうございます。AVECのスグルでございます」
 
「靴の注文をしたいのだが……」 
どうやら靴の注文のようだ
 
オレはレンタル事務で、販売品の担当事務は花子さんだ
オレは花子さんを探したが、どうやら他の電話に出ているようだ
営業の皆さんは外に出ているので誰もいない…
オレは自分で電話の要件を確認することにした…
 
オレは注文を確認する
「ありがとうございます。商品はお決まりでしょうか?」
 
「ほしいのは□□だ」
 
電話の相手が答えた
「商品は□□ですね?…ありがとうございます……その商品であれば現在南支店に在庫がありますので明日中にはご納品できるかと思います」
「ご希望の訪問時間はございますでしょうか?」
オレはマニュアル通りに電話応対を進めた
販売事務もなかなかいけるな!!…オレは自分の才能に酔いしれていた…
 
「13時だ」
電話の相手が答えた
 
「13時ですね?…かしこまりました…では訪問する担当営業に今の件を連絡させて頂きます‥…何か変更点があれば営業から連絡させて頂きます」
「ではありがとうございました……失礼致しま‥………」
 
オレが電話を切ろうとすると、電話の相手がまだ話しかけてきた…
「今度は時間を間違えないでくれよ!!!!」
 
 
「………」
「と……申されますと………」
よく分からないのでオレは質問した
 
電話相手は一気に話し出した
 
「だから今回は時間を間違えないでくれよと言っているんだ!!」
「前回も13時に約束していたのに、1時間待っても全然来やしない!!!結局来たのは14時30分だ…」
「やっと来たと思ったら……謝りもせずにいきなり商品を納品しようとしやがった…」
「オレは頭にきてその場で怒鳴りつけてやったんだ!!!!」
「まぁその場でしっかり謝罪をしてくれたから、こうしてまた注文しているわけだが………」
 
………………………………
訪問時間のミス……クレーム
………………………………
 
 
どこかで聞いたことがある話だ
………………………………
そうか…そうだ……この南支店で起こった連続事件の最初のケース……
ホープ君が訪問時間を間違えた事件だ!!!!
 
なんと電話の相手は、ホープ君の一件目のクレームの利用者様だったのだ!!!!



 
続く
 

修理屋スグルと沈黙のFIVE LIARS.6  第二部  事件編②

2022-05-30
お昼頃にホープ君が交換した車椅子を2台持ち帰って来た
ここからが修理屋としての腕の見せどころだ!!
 
そう言いえば……ホープ君を待っている間に、主任依頼分の車いすがウィズ社から届いた
 
まぁそれは…今は別にいいでしょう♪
後で報告するとしましょう♪
 
それよりもまずはパンク車いす2台の調査だ
AVEC社に潜入してから、オレは文句も言わずに、事務仕事を真面目に一生懸命やってきた
そんな頑張ったオレへのご褒美かのように…今、目の前に修理が必要な車いすが2台も並んでいる…
事務三昧(ざんまい)で、修理から遠ざかっていたオレにとっては、これはご馳走同然なのだ…
そんなご馳走を目の前にして、他に優先することなどあるはずがないだろう…
 
………………………………
オレはホープ君が降ろした車いすを確認する
 
見事に車いすの空気は減っていた
タイヤがペシャンコだ
 
            空気が減った状態のタイヤ
オレの修理魂に火がつく!!
 
と、ここでホープ君がオレに質問する
「ところでスグルさんはメンテナンスに詳しいんですか?」
 
「………………………………」
「………………………………」
 
危なかった……

そういえばオレのこのAVEC社南支店での身分はレンタル事務だった
修理屋であることがバレれば、犯人に警戒される恐れがある!!
そして…ホープ君が犯人で、自作自演の可能性もある

ここはあくまでも、レンタル事務としてさりげなく調査を行う必要があるのだ
久しぶりに見た「生の車いす」にテンションが上がり過ぎて自分の設定を忘れるところだった
非常に危ない…!!…間一髪だ…!!…しっかりしろ…!!…スグル…!!…
 
「まぁ…あくまで…レンタル事務として少し勉強しているくらいだよ……」
オレはごまかしながらホープ君の質問に答えた
 
………………………………
………………………………
 
さて調査に戻ろう
車いすの空気が減った時の原因は次の3つだ
①単純に空気が減っている
②虫ゴムに穴が空いている
③チューブに穴が空いている
 
ちなみに修理方法は次の3つになる
①単純に空気が減っている→空気を入れる
②虫ゴムに穴が空いている→虫ゴムを交換する
③チューブに穴が空いている→チューブ交換かパンク修理で修理ができる
 
③に行くほど手間と時間がかかる
特に③はタイヤを外さないといけないので、かなりの手間と時間がかかる
 
今回の車いすはタイヤがぺしゃんこになっているので、①の単純に空気が減っているはあり得ないだろう!!
特にチューブに不備がないのに一週間でここまで空気が減ることはまず考えられない
残りは…②の虫ゴムに穴が空いていると、③のチューブに穴が空いているだ!!!!

 
………………………………
オレは順番に調査を開始していく
 
虫ゴムを確認するには写真のの部品を外せばいいだけだ!!
を外すと中からの部品が出てくる。ゴムの部分が虫ゴムだ
このゴムの部分が破れていないかを確認すればいいだけだ

オレは分解し、虫ゴムが取り付けられているパーツを中から取り出した
 
すると‥衝撃の事実が判明した!!!!
なんと…虫ゴムが破れていたのだ!!!!
もう一台の車いすも調査したが、同じように虫ゴムが破れていた
 
虫ゴムが破れてもすぐに空気は抜けない
ゆっくり一週間程度かけて、ゆっくりタイヤの中の空気がなくなっていくのだ

そして…これでハッキリした!!
空気が一週間で抜けてしまった原因は虫ゴムの破れったのだ

………………………………
 
しかしここでオレにある疑問が生まれた
なぜなら…こんな事は絶対にありえないからだ
 
AVECは自社でメンテナンスを行っていない
そしてレンタル商品の全てを株式会社ウィズの東大阪センターから借りている
そしてこの東大阪センターでレンタル商品のメンテナンスを行っているのは‥‥、
何を隠そうこのオレ修理屋スグルなのだ

虫ゴムに関しては、メンテナンスを行う全ての車いすに対して
毎回交換している
この2台の車いすも見覚えがある…オレが最近メンテナンスした車いすだ……
そして100%虫ゴムは交換している
だから…虫ゴムが破れた車いすが送られてくることなど絶対にあり得ないのだ
 
やはりこの中に犯人がいる
故意に誰かが破れた虫ゴムに交換したとしか考えられない
オレはそう確信した!!!!
………………………………
 
そう言えば…もう一つ不可解なことがある
それはホープ君の二件目のクレーム
 
車いすの整備不良でクレームになったらしいが‥‥
そんな故障した車いすをオレはこの一ヶ月、東大阪センターで見た記憶がない
特にAVECの返却品は数台しかなかったが‥…そんな整備不良の車いすは無かったはずだ
 
オレの気のせいか……真相は果たして……
なんだかよく分からなくなってきた……
謎が謎を呼ぶ展開だ…
 
………………………………
………………………………
 
とりあえず故障の原因が虫ゴムの破れだったことを課長と主任に報告しておこう!!
ついでに主任に納品分の車イスが届いたことも報告しなければならない
 
課長と主任を探すために、作業場から事務所に移動する
 
課長がいらっしゃったので報告をする
ついでに近くに主任もいらっしゃったので、主任にも報告しておこう
 
「課長!!‥‥!主任!!……すいませんよろしいでしょうか?」
「空気が抜けた車イスは二件とも虫ゴムの破れが原因でした」
 
「………………………………」
「………………………………」
「な‥‥…なに……」
「む……虫ゴムの破れが原因だと‥‥」
「………………………………」
「………………………………」
課長の様子がどことなく変だ
 
課長が続けて言う
「本当に虫ゴムが原因なんだな?……」
「とりあえず分かった」
「しかし…君はレンタル事務なのだから、メンテナンスの真似事なんてしなくていいんだよ」
「自分の仕事をちゃんとやりなさい!!……分かったかね」
 
課長に強い口調で言われた
「くそっっ……怒られた‥…!!」
故障の原因を報告しただけなのに、なぜか怒られた!!!!
全くもって腑に落ちない…!!!!…意味不明だ…!!!! …オレは誇り高き修理屋スグルだぞ…!!
 
………………………………
それにしてもあの課長の反応はなんなのだ…明らかに動揺しているようだった
………………………………
 
おっと……忘れていた……
主任に車いすが届いたことを報告する
 
「………………………………」
「あ…ありがとう」
「あ………明日納品する分だ………し……下に置いておいてくれ……」
「………………………………」
 
主任の様子もなぜか少しおかしい
やっぱり意味不明だ…どうなっているんだ…
 
………………………………
………………………………
「まだまだこれくらいじゃ足りない」
「災いはまだまだ続くのだ」
「しかしまさか…虫ゴムのトリックを見破るられるとは…‥」
「この会社にメンテナンスに詳しい人間がいるとは驚いた」
「レンタル事務スグル……やつは一体何者だ‥」
「まあいい!!……次はもう少し難易度を上げるとしよう!!」
「計画はまだ終わらない……」
………………………………


続く

修理屋スグルと沈黙のFIVE LIARS.5  第二部  事件編①

2022-05-16
次の日になった
本日もAVEC社の南支店に出勤だ!!
 
「今日こそ犯人の正体を暴き出してやる!!!!」
オレは気合いを入れながら、AVEC社の黄色いジャンパーに袖を通す
…相変わらず派手な色のジャンパーだ…
 
オレがそんな事を考えていると、誰かが出勤してきた
事務の花子さだ
 
「おはようございます♪♪♪」
 
なんだか花子さんは今日は機嫌が良いようだ
昨日はあんなにイライラしていたのに…今日は笑顔全快だ
 
「おはようございます」
オレは挨拶を返す
 
………………………………
………………………………
 
花子さんは、オレが挨拶を返したあとも自分の席に向かおうとしない
なおも笑顔でオレを見つめてくる!!
 
ちょっと不気味だな……
なにかオレに用事でもあるのか?
 
オレは思い切って花子さんに質問した
「どうかされましたでしょうか?」
 
「………………………………」
 
「何か気付かない??」
 
「………………………………」
花子さんが質問してくる
 
オレはなにを問われているのか全く分からない
 
「すいません。ちょっとよく分からないです」
オレは素直に分からないと答えた
 
………………………………
 
しばしの沈黙のあと、花子さんが話し始めた
 
「このイヤリングよ」
「昨日彼氏にプレゼントされたの」
 
なんだ!…イヤリングか?!…全く気付かなかった!!
 
「どう?…似合う?」
花子さんが質問してきた
 
どう答えれば良いのか分からない
頭の中をフル回転させ、オレはなんとか苦し紛れに答えた‥…
 
「に……にあっていると思われます……」
 
………………………………
 
「………………………………」
「………………………………」
 
………………………………
 
「あっ…そう…」
 
オレの対応がまずかったのか、花子さんさはその一言だけで、自分の席に向かって歩いて行った
 
………………………………
 
オレはとても悲しい気持ちになった…
 
「返事つめたすぎるだろ……」
「せっかく似合っていると言ったのに……」
「いったいどう答えるのが正解だったんだ……」
オレは自問自答する!!
 
しかし答えを導くことは出来ない
 
なぜなら…
修理屋一筋17年!!!!
自慢じゃないが女性の気持ちなんて分かりません!!!!
オレはサラリーマン人生の全てを修理とメンテナンスに注ぎ込んできたのだ!!
誰か文句あるかい?!
 
………………………………
………………………………
 
近くにホープ君がいた
ホープ君に聞いてみよう!!
 
「今の花子さんの質問にはどう答えればよかったのかなぁ?」
 
ホープ君が答える
「そんなことより仕事しましょー」
「依頼していた同機種交換の車いす2台は入荷済ですか?」
 
「あ……それなら昨日届いているよ…」
オレはホープ君にそう伝えた
 
「わかりました!!ありがとうございます!!」
「ではさっそく交換に行ってきます」
 
そう言って…ホープ君はこの場を去っていった!!!!
 
………………………………
………………………………
 
相変わらず仕事熱心な男だ
オレは自分の質問がスルーされたことも忘れて感心する
 
近くに見習い君もいた
オレは見習い君にも同じ質問をする
 
「君はさっきの花子さんへのオレの対応はマズかったと思うかい?」
 
見習い君が答える
「ところでスグルさんは彼女はいるんですか?」
 
………………………………
 
相変わらず見習い君とは会話が成立しない
本当にこの子だけは何を考えているのか分からない…
ちょっ……ちょっと見習い君‥…質問に質問で返しちゃだめでしょ‥…まず相手の質問に答えてから自分の質問をしないとだめでしょ……
 
 
オレは一応見習い君の質問に答えた
「い……いないよ……」
 
「そんなんですか……ボクも彼女いないですよ」
「今日も一日頑張りましょうね」
 
そう言って見習い君も去っていった……
 
なんてマイペースな子なんだ
でも…彼女いないのかぁ…
少し彼に親近感が湧いてきた…
 
………………………………
………………………………
 
そんなことより今はホープ君が持ち帰ってくる2台の車いすのことを考えなければいけない!!

確か2台とも交換理由はパンクだったな
一週間前に納品した車いすの空気が2台とも抜けてしまったという事だったはずだ……
 
 
まずは、ホープ君が帰ってくるのを待つとしよう
オレはホープ君が戻るのを首を長くして待つ
 
………………………………
………………………………
 
お昼頃にホープ君が無事に交換を終えて南支店に戻ってきた
 
営業車から交換した車いすを2台降ろしている
ホープ君に頼んで、オレもいっしょに車イスを見せてもらえることになった
 
この調査結果が事件解決に大いに役立つに違いない!!
修理屋としてのオレの腕の見せどころだ!!!!
 
続く

修理屋スグルと沈黙のFIVE LIARS.4  第一部 序章編④

2022-05-02
【数日前のある日】

数日前、オレはいつも通り株式会社ウィズの東大阪センターで修理を行っていた
 
プルルルプルルルプルルル
 
内線電話が鳴っている
 
オレは電話に出る
「お疲れ様ですスグルです!!」
 
電話の相手が言う
「お疲れ様ですスグルさん!!」
ボスがお呼びですよ」
 
「かしこまりました」
「すぐに行きます!!」
そう答えて、オレは電話を切った
 
「ボスかぁぁ………」
 
ボスというのは、この東大阪センターの課長のことだ
もちろん我が部署のトップの人間だ
誰が呼んだか通称ボスと呼ばれている
 
「ボスに呼ばれるということはただごとではない!!」
「スペシャルな修理依頼か?!…」
オレはワクワクしながらボスの元へ向かう
 
………………………………
……………………
 
「失礼します」
オレはボスの部屋に入る
 
「おつかれさん!!」
「よく来てくれた!!」
ボスが答える
ボスは風格のある人間だ。
この言葉だけでもオレは緊張してしまう
 
「君を呼んだのは他でもない」
「実は君にある任務を行ってもらいたい」
ボスが話し始めた
 
 
「きた…修理依頼だ…いったいどんな修理だ…」
オレの頭の中は期待と緊張でパニックになる…
 
………………………………
「実は明日から株式会社AVECの南支店に行ってもらいたい!!」
ボスの要件は「その一言」で完結してしまった
 
………………………………
………………………………
 
「………………………………」
「………………………………」
「………………………………」
「………………………………」
 
ボスはそれから何も話そうとしない…
えっと?!…どういうことだ?!…とりあえず修理の依頼ではなさそうだな?!………
明日から別の会社に行くのか?…‥それはつまりどういうことだ………
………………………………
………………………………
 
オレはある結論に達した…
 
………………………………
「クビですか?……」
………………………………
 
オレの頭の中の声が外に漏れてしまった…
 
「ひどい…ひどすぎます…オレは修理屋として17年間ウィズのために頑張ってきました……」
「それをいきなりクビだなんて……ひどい…あんまりです……」
オレは「ブレーキが壊れたダンプカー」のようにボスにまくし立てた
 
「………………………………」
「………………………………」
「………………………………」
 
ボスはなにも答えようとしない
話はこれで終わりということか?
これでオレの修理屋としてのキャリアは終了ですか?
ボズよ! あなたは鬼ですか…?
 
「では失礼致します」
「今までお世話になりました」
オレはあきらめて部屋を出ようとする
 
「さっきから君はなにを言っとるんだね?!!!」
ボスが口を開く
 
「えっと……クビじゃないんですか?……」
 
ボスは話を続ける
「違う!!話は最後までちゃんと聞け!!」
「実はウィズがレンタル商品を提供している顧客にAVECという会社がある」
「そこの社長とウィズの社長が旧友の仲なのだが……」
「その南支店で最近奇妙な事件が起きている」
「そこには優秀な若手社員がいるのだが…」
「彼の身に最近ニ件のクレームが連続して発生した」
「1件目は訪問時間のミス、2件目は車いすに関するクレームだ」
「いずれも優秀な彼には考えられないミスだ」
「彼を恨んでいる誰かの犯行かもしれない」
「そこで君に、南支店に潜入して事件を調査してもらいたい」
 
ボスの思わぬ言葉にオレの頭は真っ白だ……
とりあえずクビではないのか…
しかし明日からですか……急過ぎないですか……
 
オレが頭の中で考えている間にも、ボスの言葉は続く
 
「修理屋スグルよ!!!!」
「株式会社AVECの南支店に潜入し、事件を解決してくるのだ!!!!」
「これが君に与えられたミッションだ!!!!」
 
………………………………
………………………………
………………………………
………………………………
………………………………
………………………………
………………………………
………………………………
 
ということで1週間前からオレは正体を隠してこの南支店に潜入している
そういえばボスが最後にこんなことを言っていた
 
「ちなみにAVEC社にはメンテナンス部門はない
「昔は存在していたが、数年前にある事があり廃止になったそうだ」
「だから今回は事務員として潜入し、事件を調査し解決するのだ」
………………………………
 
 
という訳で、オレは修理屋ではなく事務屋としての日々を送っているのだ
しかしそれもそろそろ限界が近付いている
「スパナ握りたい…ネジを締めたい…メンテナンスがしたい…」
ホームシックならぬメンテナンスシック
禁断症状寸前である
 
オレに残された道は一つしかない
早く事件の全貌を暴き出し、解決することだけだ
 
………………………………
………………………………
 
事件を整理してみよう
 
「ホープ君のクレーム」は
1件目が訪問時間のミス
2件目は車いすのクレームだ
2件目はオレが来る前の出来事だ。残念ながらこの車は既にウィズに返却しているので調べることができない。
 
そして3件目と4件目が「先程の空気が抜けた車いす2台」
この短期間で4件のクレームは明らかに明らかに不自然だ
やはりホープ君を恨む誰かの犯行なのか?!
 
 
ホープ君を可愛がっている課長の犯行か?
ホープ君に売上を抜かれた営業主任か?
ホープ君がイライラするせいで平和を害されている販売事務の花子さんか?
もしくはホープくんに差をつけられている見習い君か?
あるいはホーブ君の自作自演か?
 
やはりこの5人の中に犯人がいるのか?
 
何食わぬ顔で平凡に業務を行いながら、とんでもない憎悪を隠し持っているペテン師……
 
この5人の中に嘘つき(LIAR)が存在しているというのか?


     続く
 

修理屋スグルと沈黙のFIVE LIARS.3  第一部 序章編③

2022-04-19
そうだ!!
ホープ君の交換分の商品を手配しなければならない
今回は商品の同機種交換になる
同機種交換というのは、
レンタル商品を使っていて故障が発生した場合や、長年商品を使って経年劣化が起きた際に、同じ機種の商品に交換することだ!!
 
どうやら、1週間前に納品した車イスの空気が抜けてしまっていたそうだ
 
利用者様が車イスを確認したところ、空気が抜けてタイヤがペチャンコになっており、ホープ君に連絡が入ったのだ
2日後に車椅子を使うので、明日中に必ず交換してほしいという事だ
 
………………………………
………………………………
 
ちなみにこのAVEC社ではメンテナンス事業は行っていない
レンタル商品は全て別会社の株式会社ウィズから外注している
 
オレは商品を手配するためにウィズ社の東大阪センターに電話をする
 
プルルルプルルルプルルル
 
「ありがとうございますウィズの○○でございます」
 
電話がつながった
 
「いつもお世話になっておりますAVECと申します」
「在庫があれば本日中に車いすを1台手配させて頂きたいのですが…」
オレは希望の商品を伝えると、次にウィズ社のレンタル事務が商品の在庫を確認する
 
緊張の一瞬だ!!
当然ながら商品の在庫がないと同機種交換は成立しない
ここが運命の分かれ道なのだ
 
しばらくしてウィズ社のレンタル事務が話し出す
「商品は□□でお間違いないですね?!」
「在庫がございましたので、本日中にAVEC様の南支店にお持ちさせて頂きます」
「レンタル依頼書だけお送り頂けますでしょうか?」
 
「ありがとうございました」
「それでは依頼書を送らせて頂きます」
「失礼致します」
オレはそう言って、電話を切った
 
オレは在庫があったことに安心する
それからレンタル依頼書に、利用者様の「情報、商品名、希望納期」を記入する
 
よし!! 完成だ!!
レンタル依頼書の記入が完成した
あとはウィズ社にFAXを送ればOKだ
 
ピーヒョロロロ
ピーヒョロロロ
 
FAX送信も無事に完了だ
オレは業務を成し遂げた
 
………………………………
………………………………
………………………………
………………………………
 
ホープ君に商品の手配ができたことを報告しよう
オレはホープ君を探しに行く
たまたま彼が前を通り過ぎた…
 
「先程の同機種交換の件だけど、無事に商品の手配ができたよ!!」
オレはホープ君に報告した…
 
「……………………」
「……………………」
 
「……………………」
「……………………」
 
ホープ君はオレの報告に対して何も答えようとしない
さらに沈黙は続く
 
「……………………」
「……………………」
 
「……………………」
「……………………」
 
って…無視かい!!!!
ようやくオレは無視されていることに気が付いた
同時にオレの心は深く傷ついた(;_;)
 
一応オレの方が年上なんですけど‥…
返事くらいしてほしいなぁ…
まったく近頃の若いモンは‥…
 
そう思いながらホープ君の顔を見た
すると……
 
………………………………
……………………
なんとホープ君の顔が青ざめている
顔面蒼白だ
………………………………
 
オレはホープ君に質問する
「いったいどうしたんだい?」
 
ホープ君がゆっくり話し始める
「すいませんスグルさん……」
「実はもう一台車いすの手配をお願いしたいのですが……」
弱々しい声でホープ君が話を続ける
 
「さきほど別の利用者様からまた同機種交換依頼の連絡がありました」
「同じように1週間前に納品した車いすなのですが……‥」
「空気が抜けて使えないので、明日中に交換分の車いすを持ってきてほしいとの事でした……」
 
……………………………
「これで今月4件目のクレームです…」
 
「僕はどうすれば……」
……………………………
 
ホープ君はひどく落ち込んでいる
オレは急いでウィズ社に連絡して、同機種交換分の車いすを手配する
ウィズ社に在庫があり、本日中に南支店に商品を届けてくれるそうだ
 
ホープ君に報告する
「同機種交換分の車いすの手配ができたよ。本日中には商品が入荷するから明日納品できるよ」
 
……………………………
「わ……わかりました……」
「あ…ありがとうございます………」
……………………………
 
ホープ君の声にもはや力はない
かろうじて聞こえるのがやっとだ
そしてホープ君は、ゆっくりと力なく席に戻って行った
 
そんなホープ君に同じく新人の見習い君が声を掛ける
「ボク昨日ベッドを一人で納品できるようになったんだよ!!凄いでしょ!!君に負けないようにボクも頑張るよ!!」
そう言って去っていった
 
………………………………
「見習い君!!今じゃないでしょ!!」
「傷付いてる人にそんなこと言っちゃだめでしょ!!」
「頭に思いついたことをすぐに言っちゃだめでしょ!!」
「もうちょっと空気を読めるようになりましょうね!!」
 
見習い君の「天然爆弾」が傷付いたホープ君に炸裂してしまった
 
見習い君に追い打ちをかけられた「ホープ君の顔」は先程よりも青白くなっている…
 
……………………………
「頑張れホープ君!!」
……………………………
 
そう思いながらもオレは状況を整理する
しかしこれはどういうことなのだ?
南支店はAVEC社の中でも最も優秀な部署だ
クレームなどほとんど聞いたことすらない‥…
それがこの短期間で4件のクレーム
しかもそのクレームの全てが完璧主義のホープ君に集中している
 
明らかにおかしい
 
……………………
 
まさか‥‥
まさか本当にこれは連続事件なのか?
ホープ君は本当に誰かに狙われているのか?
……………………
オレは心の中で自分のミッションをもう一度確認する
 
実はオレのミッションは事務屋としてレンタル商品の手配をすることではない
それはあくまで仮の姿だ!!!!
 
オレの真のミッションは……
………………………………
この一連の事件の犯人を暴き出すことだ!!
そのためにオレはこの南支店に潜入しているのだ!!!!
………………………………
ホープ君よ…もう少しだけ我慢してくれ
 
「この事件は修理屋の名にかけてオレが必ず解決する!!」
 


続く

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マットレス・車いすの洗浄・消毒を承ります。
ご要望がございましたら担当営業までご連絡ください。
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