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福祉用具消毒メンテナンス

修理屋スグルと沈黙のFIVE LIARS.6  第二部  事件編②

2022-05-30
お昼頃にホープ君が交換した車椅子を2台持ち帰って来た
ここからが修理屋としての腕の見せどころだ!!
 
そう言いえば……ホープ君を待っている間に、主任依頼分の車いすがウィズ社から届いた
 
まぁそれは…今は別にいいでしょう♪
後で報告するとしましょう♪
 
それよりもまずはパンク車いす2台の調査だ
AVEC社に潜入してから、オレは文句も言わずに、事務仕事を真面目に一生懸命やってきた
そんな頑張ったオレへのご褒美かのように…今、目の前に修理が必要な車いすが2台も並んでいる…
事務三昧(ざんまい)で、修理から遠ざかっていたオレにとっては、これはご馳走同然なのだ…
そんなご馳走を目の前にして、他に優先することなどあるはずがないだろう…
 
………………………………
オレはホープ君が降ろした車いすを確認する
 
見事に車いすの空気は減っていた
タイヤがペシャンコだ
 
            空気が減った状態のタイヤ
オレの修理魂に火がつく!!
 
と、ここでホープ君がオレに質問する
「ところでスグルさんはメンテナンスに詳しいんですか?」
 
「………………………………」
「………………………………」
 
危なかった……

そういえばオレのこのAVEC社南支店での身分はレンタル事務だった
修理屋であることがバレれば、犯人に警戒される恐れがある!!
そして…ホープ君が犯人で、自作自演の可能性もある

ここはあくまでも、レンタル事務としてさりげなく調査を行う必要があるのだ
久しぶりに見た「生の車いす」にテンションが上がり過ぎて自分の設定を忘れるところだった
非常に危ない…!!…間一髪だ…!!…しっかりしろ…!!…スグル…!!…
 
「まぁ…あくまで…レンタル事務として少し勉強しているくらいだよ……」
オレはごまかしながらホープ君の質問に答えた
 
………………………………
………………………………
 
さて調査に戻ろう
車いすの空気が減った時の原因は次の3つだ
①単純に空気が減っている
②虫ゴムに穴が空いている
③チューブに穴が空いている
 
ちなみに修理方法は次の3つになる
①単純に空気が減っている→空気を入れる
②虫ゴムに穴が空いている→虫ゴムを交換する
③チューブに穴が空いている→チューブ交換かパンク修理で修理ができる
 
③に行くほど手間と時間がかかる
特に③はタイヤを外さないといけないので、かなりの手間と時間がかかる
 
今回の車いすはタイヤがぺしゃんこになっているので、①の単純に空気が減っているはあり得ないだろう!!
特にチューブに不備がないのに一週間でここまで空気が減ることはまず考えられない
残りは…②の虫ゴムに穴が空いていると、③のチューブに穴が空いているだ!!!!

 
………………………………
オレは順番に調査を開始していく
 
虫ゴムを確認するには写真のの部品を外せばいいだけだ!!
を外すと中からの部品が出てくる。ゴムの部分が虫ゴムだ
このゴムの部分が破れていないかを確認すればいいだけだ

オレは分解し、虫ゴムが取り付けられているパーツを中から取り出した
 
すると‥衝撃の事実が判明した!!!!
なんと…虫ゴムが破れていたのだ!!!!
もう一台の車いすも調査したが、同じように虫ゴムが破れていた
 
虫ゴムが破れてもすぐに空気は抜けない
ゆっくり一週間程度かけて、ゆっくりタイヤの中の空気がなくなっていくのだ

そして…これでハッキリした!!
空気が一週間で抜けてしまった原因は虫ゴムの破れったのだ

………………………………
 
しかしここでオレにある疑問が生まれた
なぜなら…こんな事は絶対にありえないからだ
 
AVECは自社でメンテナンスを行っていない
そしてレンタル商品の全てを株式会社ウィズの東大阪センターから借りている
そしてこの東大阪センターでレンタル商品のメンテナンスを行っているのは‥‥、
何を隠そうこのオレ修理屋スグルなのだ

虫ゴムに関しては、メンテナンスを行う全ての車いすに対して
毎回交換している
この2台の車いすも見覚えがある…オレが最近メンテナンスした車いすだ……
そして100%虫ゴムは交換している
だから…虫ゴムが破れた車いすが送られてくることなど絶対にあり得ないのだ
 
やはりこの中に犯人がいる
故意に誰かが破れた虫ゴムに交換したとしか考えられない
オレはそう確信した!!!!
………………………………
 
そう言えば…もう一つ不可解なことがある
それはホープ君の二件目のクレーム
 
車いすの整備不良でクレームになったらしいが‥‥
そんな故障した車いすをオレはこの一ヶ月、東大阪センターで見た記憶がない
特にAVECの返却品は数台しかなかったが‥…そんな整備不良の車いすは無かったはずだ
 
オレの気のせいか……真相は果たして……
なんだかよく分からなくなってきた……
謎が謎を呼ぶ展開だ…
 
………………………………
………………………………
 
とりあえず故障の原因が虫ゴムの破れだったことを課長と主任に報告しておこう!!
ついでに主任に納品分の車イスが届いたことも報告しなければならない
 
課長と主任を探すために、作業場から事務所に移動する
 
課長がいらっしゃったので報告をする
ついでに近くに主任もいらっしゃったので、主任にも報告しておこう
 
「課長!!‥‥!主任!!……すいませんよろしいでしょうか?」
「空気が抜けた車イスは二件とも虫ゴムの破れが原因でした」
 
「………………………………」
「………………………………」
「な‥‥…なに……」
「む……虫ゴムの破れが原因だと‥‥」
「………………………………」
「………………………………」
課長の様子がどことなく変だ
 
課長が続けて言う
「本当に虫ゴムが原因なんだな?……」
「とりあえず分かった」
「しかし…君はレンタル事務なのだから、メンテナンスの真似事なんてしなくていいんだよ」
「自分の仕事をちゃんとやりなさい!!……分かったかね」
 
課長に強い口調で言われた
「くそっっ……怒られた‥…!!」
故障の原因を報告しただけなのに、なぜか怒られた!!!!
全くもって腑に落ちない…!!!!…意味不明だ…!!!! …オレは誇り高き修理屋スグルだぞ…!!
 
………………………………
それにしてもあの課長の反応はなんなのだ…明らかに動揺しているようだった
………………………………
 
おっと……忘れていた……
主任に車いすが届いたことを報告する
 
「………………………………」
「あ…ありがとう」
「あ………明日納品する分だ………し……下に置いておいてくれ……」
「………………………………」
 
主任の様子もなぜか少しおかしい
やっぱり意味不明だ…どうなっているんだ…
 
………………………………
………………………………
「まだまだこれくらいじゃ足りない」
「災いはまだまだ続くのだ」
「しかしまさか…虫ゴムのトリックを見破るられるとは…‥」
「この会社にメンテナンスに詳しい人間がいるとは驚いた」
「レンタル事務スグル……やつは一体何者だ‥」
「まあいい!!……次はもう少し難易度を上げるとしよう!!」
「計画はまだ終わらない……」
………………………………


続く
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