修理屋スグルとフットレストの陰謀③(思考解決編)
2021-09-13
・・・・
・・・・
これは板だ!!!!
・・・・
プレートの中に薄い板が入っている
・・・・
こんな所にトリックが隠されていたのか!!
この板は一体何のために存在するのだろう?
オレは考える
もしかしたらこの板があることで、足置きが下に落ちないのではないか?
簡単に落ちないように抵抗を掛けているのではないか?
さらに良く観察するとこの薄い板が少し曲がっているように見える
オレはその時ひらめいた
まさか使用している間に板が変形していたのではないか?
推理が加速する
板が変形したことで、抵抗力が無くなり、少しの衝撃で簡単に足置きが落ちてしまうのではないか?
オレの頭脳が極限に達した時、ある案が浮かびあがった
・・・・
・・・・
この板を新品に交換しよう
・・・・
・・・・
板を新品に交換すれば、抵抗力が復活し、衝撃を加えても足置きは落下しないはず
これなら利用者様も安全に使用することが出来るだろう
その日はあんな事件があったことが嘘のように静かにすぎた
部署の終礼が終わり本日の業務は終了だ
作業服からスーツに着替えながら本日の出来事を振り返る
こんな事件はもうコリゴリだ
しかし真の事件とは利用者様が安全に安心して車椅子を使用出来ないことだ
その意味では事件は未然に解決出来たのかもしれない
利用者様にこれからも安全に車いすを使用して頂きたい
そんな思いがオレの頭の中にふと現れた
そのためにオレに出来ることは一つしかない
オレが出会う全ての車いすを安全に整備する
それが修理屋として生まれたオレの運命なのだ
そう誓いながら会社をあとにする
そのオレの心を表すように………
…………
外にはヒマワリが咲いていた