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ウィズ便り

介護現場の体験談を中心に、福祉用具についてのご紹介、介護保険等に関する情報を定期的に発信させて頂きます。
弊社とお客様のコミュニケーションの一助となれば幸いです。

心温まるストーリー★介護の現場から~介護すること、されること~★

ご夫婦の暖かさを感じる節句のお人形

2022-01-05
Aさんは奥様と二人暮らし、約1年前ケアマネジャーとして担当させていただくことになりました。
ご自宅にお伺いすると、心疾患の術後ということもあり、体力が低下、食事も十分とれない状態で、話をするのがやっとといったご様子でした。
Aさんはボクシングの大ファンでwowwowで世界戦を視聴するのがご趣味。以前は近くのフィットネスクラブに毎日通って、体を鍛えておられました。
奥様は、着なくなった着物の生地を再利用して、お人形や季節の小物を作るのがご趣味。ご自宅には至る所にすばらしい作品が飾られていて、素敵な作品に目を奪われました。

奥様は「病院に連れていくのに車いすを利用したい。自宅でもこけるので、屋内用の歩行器を利用したい。」と、ご主人の病状にも迅速に対応されていました。ご本人は「もう以前のような体には戻れず、体を鍛えることもなくなるだろう」と落ち込まれている時もありましたが、福祉用具のご利用にあわせ、リハビリ特化型のデイサービス利用を提案させていただき、何とか週2回通われるようになりました。奥様はAさんの介護を献身的に行いながらも、時間を見つけては、趣味の手芸や、ご友人との交流を楽しまれており、Aさんのリハビリにも常に前向きなお声がけをされ、励まされていました。
そのような奥様の姿に刺激を受けられたAさん。「自分も、もっと以前のように趣味を楽しめるようになりたい!」と奮起され、リハビリ特化型デイを週2回から3回に増やし、意欲的に運動を始められました。「体力を取り戻して、もう1度シャドーボクシングがしたい。」と前向きなお気持ちが聞かれるようになりました。
歩行が安定し、屋内用歩行器は必要なくなり、Aさんの意欲アップとともに、奥様の作品づくりも、益々精力的に。季節ごとの節句のお人形や野菜、干支をモチーフとしたホルダーなども制作され、様々な生地の種類や染め方と、奥様のイマジネーションが見事に融合していました。
その様な作品を、Aさんはデイサービスに持参し、飾ってもらうことで、デイサービスの皆さんに奥様の作品を楽しんでもらうのが誇りであったようです。
奥様の作品について語られるAさんの姿が非常に微笑ましく、ご夫婦の絆を感じました。私自身も季節に応じた作品を拝見することで、日本の文化を垣間見る事ができ、心温まる和やかな気持ちにさせてもらいました。
そしてAさんもまた、シャドーボクシングをしたいという、ご自身の趣味の実現も近いと実感されてきました。モニタリングで訪問すると、ボクシングへの想いがさらに高まっておられ、「ボクシングの世界戦」の話題を熱弁されていました。

Aさんの生活も落ち着いてこられ、奥様は地元に戻って、夫や親族と共に支えあっていけるように生活しようかと考えられるようになりました。

地元で生活していく準備を少しずつ進め、新たな地でご夫婦の夢を広げる生活にチャレンジされました。

今も、ご自宅の鏡の前で、シャドーボクシングをされていると、引継いで頂いた、ケアマネジャーからお聞きします。

これからもお互いを尊重しあい、支えあう仲の良いご夫婦であられることでしょう。
 
             大阪西営業所 介護支援専門員 
                      福嶋勝一郎

想いを伝え合うために

2021-12-01
Aさんは、97歳で今も、一人暮らし。五木ひろしの大ファンで、毎晩ビデオ鑑賞を楽しまれています。
「お母さんには、いつまでも元気で家にいて欲しい」と、近くに住む娘様や息子様に支えられ、訪問看護や訪問介護の支援を受けながら、生活されていました。
様子が変わり始めたのは、貧血のために、入退院を繰り返すようになってからです。
体力が低下し、家の中を動くのも、胸がどきどきするようになりました。
 以前からあった難聴もすすみ、テレビの音は大きくなり、家の中に五木ひろしの歌声が、コンサートホールのように響き渡ります。
普段の会話も耳元でかなりの大声で話さないと聞こえません。
さらに、コロナ禍での看護師さんやヘルパーさんとの会話は、マスク越しとなり、うまく聞きとれません。
感染予防もあり、近づきすぎる会話には抵抗があります。
Aさんは、いくら話しても返事が聞こえないので、しんどくても、何度もお話しを繰り返します。
イライラもたまるようになりました。
「聞こえないのが、一番つらい」
「こんななら早くお迎えに来てほしい」と支援者として、
とてもつらくなる言葉が聞かれるようになりました。

しかし本当は「元気で家にいたい」の裏返しなのでしょう。 
                                                                                                    
時、看護師さんが「もしもしフォン」を教えてくれました。
「もしもしフォン」は、糸電話の進化版のような福祉用具で、お互いが耳や口に当て、声を大きくするものです。
蛇腹式になっており、少し離れた距離で話しても、会話が出来ます。
早速購入され「最近はいい物があるなあ」と喜んで使われ、相手の言葉がはっきりわかるので、お顔も和らいでお話されるようになりました。
もう一つ提案があったのが、電話の受話器につけて使う音量増幅器です。
難聴が進んでからは、電話での会話はAさんからの一方通行となり、家族も支援者も困っていました。
器械を試用した感想は、「耳が痛いほど、良く聞こえるわ。」娘様にすぐ電話し、購入を決められました。
今は納品される日を楽しみにされています。
想いを聞き、想いを伝える。
人が生きていく上では、一番大切なことかもしれません。          お互いの想いを伝えあいながら、これからもAさんらしい生活が送れるように支援していけたらと思っています。


株式会社ウィズ 吹田営業所 介護支援専門員 橋本裕之

自由な生活を取り戻したい

2021-11-01
Aさん(56歳・男性)は、長年会社勤めをされておられ、管理職として活躍をされておられましたが、半年前に脳梗塞を発症し、軽度の左片麻痺が残りました。それでも職場復帰することを目的に、奥様の支えのもと、意欲的にリハビリに取り組んでおられました。
その成果もあり、数カ月後には、杖歩行で会社に出勤することができるようになりましたが、その直後、脳梗塞を再発され、今度は右半身にも麻痺が残りました。

会社に復帰された矢先に脳梗塞を再発し、四肢麻痺が残ったことによる喪失感は大きく、以前のような職場復帰への意欲は持てなくなっておられました。今回は比較的麻痺が強く残ったため、奥様がリハビリをするように励ましても、職場復帰は無理だと諦めておられ、そのことにより生活意欲の低下をきたしておられました。

 ある時、ヘルパーに車いすを押してもらって通院した帰り、煙草を買いに寄り道をしたいと伝えたが、断られたことから、人に頼らないと何もできない不自由さを改めて痛感され、何とか自立をしたいという思いが芽生えられました。
 日中はほとんどベッド上で過ごしておられましたが、まずは自宅では自立をしたいという思いから、週2回の訪問リハビリを熱心に取り組まれ、その結果、徐々に自宅内でできることが増えてきました。しかし、外出に関しては、車いす介助をしてもらわなければならず、その姿をご近所の方々には見られたくないと、通所リハビリも断っておられました。
ある日、これまで操作が無理だと思い込んでいた、電動車いす(カートタイプ)の試乗を勧められて、初めて試乗したところ、自分の意志で自由に好きなところに行けることに強い魅力を感じられ、どうしても電動車いすを使って外出がしたいという思いが強くなられました。
それには、麻痺側の手のリハビリ等、解決しなければならない課題がありましたが、ご自身が希望する具体的な目標ができたため、懸命にリハビリに取り組まれ、ついに自分で電動車いすを操作することができるようになりました。
それからは、ヘルパーの車いす介助で通っていた病院も、ひとりで電動車いすを操作して行かれるようになり、その帰りにお店に寄って、たばこや好きなものを購入されています。更に、脳卒中当事者の会に一人で参加されるようになり、そこで知り合った友人たちと、電動車いすで一緒に出かけたり食事に行かれたりしておられます。
また、ご自身の能力を改めて認識されたこともあり、今では両手に自助具をつけてパソコンの操作もできるようになり、かつての会社の同僚や部下たちとメールでやり取りをして、在宅勤務という形で職場復帰も果たされました。
自分の意志で、自分の思う通りに自由に活動ができるということは、尊厳の保持につながるとても重要なことであります。
Aさんは障がいを負うことにより体験した不自由さを、電動車いすという福祉用具を活用することにより、解決できたことを実感され、更なる意欲向上につながり、会社に復帰されるという当初の目的を達成することができました。
自分のもとの力を復活できたという自信が、更なる生活意欲につながるという、良い循環が、福祉用具を活用するということで生み出されたのだと強く感じました。

コロナ禍の中で

2021-10-01
令和3年のある日、Aさんが利用されている訪問介護事業所様より電話連絡が入りました。
Aさんのサービスを担当しているヘルパーが、PCR検査で陽性になったとの報告でした。
Aさんが濃厚接触者に該当するかどうかは、保健所の返事待ち。
サービス内容は入浴介助だが、ほぼ見守りでできており、マスク着用での対応をしていたとのことでした。
すぐAさんに電話で報告、Aさんは冷静でしたが、心の動揺は計り知れないと感じました。
その日は日曜だったためサービス利用はなく、月曜のサービスは中止としました。
要介護3で腎不全、火木土は透析通院が必要、軽度の脳梗塞後遺症もあり、屋内伝い歩きがやっとの方です。
 
 透析クリニックに報告の電話を入れましたが、「明日の透析はPCR検査で陰性が確認されないと実施できない、当クリニックでPCR検査はしていない。」との返答でした。
今から本日中に検査結果が得られる手立てはなく、「明日の透析は中止、塩分を控えて過ごすように」との指示でした。
状況を保健所に相談し、近隣の病院でPCR検査を実施しているところを教えて頂き、直接病院と交渉しました。
透析患者でこれ以上透析の間隔を延ばす事はできないこと、保健所のドクター が、紹介状の必要があれば出しますと言っておられることを伝え、翌日検査を受けられることになりました。
 その日の夜、新型コロナ受診相談センターより連絡があり、Aさんに対し、2週間の自宅待機、PCR検査、健康観察が必要とのことでした。生命維持の為、透析通院が必要なことを相談しましたが、明確な対応策はいただけませんでした。
でもPCR検査が受けられることで道が開けたと感じました。
次の問題は、どういう手段で検査を受けに行くかということ。
車で指定の時間に病院に行き、車内で検査を実施すると説明を受けました。ご家族のおられないAさん、ご親戚の方に相談し、感染防止対策を徹底していただき、車で送迎したいただけることになりました。透析クリニックに報告すると、検査結果が陰性なら翌日から透析再開、陽性なら保健所の指示を待ってくださいとの返答をいただきました。

 夜9時にやっと結果の電話が入り、陰性だったとのことでした。これで透析を継続することができると、うれしさがこみ上げてきました。Aさんも不安に押しつぶされそうになりながら結果が出るまでとても長く感じられたと思います。その後は感染対策を徹底しながら透析を継続し、元気に過ごされています。
今や皆さんが感染対策にとても神経を使って、ピリピリしながら行動されていますが、だれがどこで新型コロナに感染されても不思議ではない状況です。
そのような中で、透析患者さんが万が一感染された場合の対応について、新型コロナ専用ベッドのある所がどこで、空き状況がどうなのかなど、情報収集の必要性を痛感しました。

 また、いろんな方々のご協力をいただき乗り越えられたことに感謝しております。

これが最善の方法とは言えませんが、これからもご利用者の方が安心して生活できるよう、努めてまいります。

株式会社ウィズショールーム 介護支援専門員 記虎加代子

歩く事の喜びを手に入れて

2021-09-01
人様の世話になりたくないと1人暮らしを頑張って来られたAさん87歳。

「最近買い物に行っても、買った荷物を自分で持って帰れない、歩いていると膝が痛くなったり、シルバーカーをひっぱっていると腰も重だるくなったり足が前に進まない。」と弱気な発言が増えてきたAさん。

心配された地域の民生委員さんから相談を受け、福祉用具専門員と一緒にお会いする事になりました。

ご主人を亡くされてから、1人暮らし。娘さんは、遠方に嫁がれ、娘に心配をかけてはいけないと、今迄頑張って来られたのですが、 「年には勝てませんわ。今まで通りの様に、地域の百歳体操に行ったり、たまには友人と食事に出かけたり、好きな所に自分の足で歩いて行けるそんな生活したいのに、思う様にならなくて。」 と、しょんぼりされていました。

お話を聞くと、シルバーカーで近隣のスーパーに買い物に行かれているとのことですが、実物を拝見すると、荷物を入れて片手で引っ張るタイプの物でした。
小さい段差も荷物が入ると重くて越えられません。
そこで今までの様に、1人で買い物に出かけ、荷物も負担なく持ち帰れるように、買い物ができる歩行器を提案させて頂きました。

腰や膝にかかる負担を軽減し、歩行姿勢が安定する歩行器を試していただいたところ、身体のバランスがとれ、歩行距離が何倍にも延びました。

又、外出時、玄関の上がり框の段差や、廊下の移動の際に支えがなく、ふらつき、転倒しそうになるため、外出意欲低下の原因となっていました。

玄関と廊下に手摺をつけたことで、その問題も解消されました。
友人の家に出かけておしゃべりを楽しんだり、おいしい店が出来たと聞くと友人と一緒に出かけ、食事を楽しんだり、自分の行きたい所に自分の足で出かけられるようになりました。

「転ばぬ先の杖ならず、転ばぬ先の手摺やわ。1人暮らしまだまだ頑張れる!」と笑顔が戻ったAさんです。

自分の足で歩けることは、QOL(生活の質)の改善や自尊心の維持・向上につながります。

ちょっとしたアドバイスと工夫で、ご本人の望む生活はまだまだ継続可能です。
 
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